NORIKIYO/OUTLET BLUES(2020/7/14)

こんにちは

テークエムがBACHLOGICの完全プロデュースを受けて、EPをリリースしました。
『テークエム/XXM』

なににしろ、一回のマイクリレー「梅田サイファー/トラボルタカスタム」のわずかワンバースで、BACHLOGICのハートを射止めた男です。


BACHLOGICからテークエムの連絡先を訪ねて、連絡したそうです。
連絡先を聞かれた梅田サイファーの他メンバーは悔しかったろうに。
確かにhook映えする声とフロー、非凡とまでは言えないですが、ここ最近では見当たらなかった声とフローにキャラクターをもつ(トラップじゃなくてね)、NMUにいても、遜色無さそうなラッパーです。


テークエムに至るまでに、BACHLOGICにプロデュースを受けたラッパーを思い出します。。
BACHLOGICの完全プロデュースで、真っ先に思い出すのは、SALU

この時のSALUの豪華さを思い出します。

「SEEDA/花と雨」も勿論完全プロデュースですが、映画を見れば、悪そうなBACHLOGICが完全プロデュースしていますね。


「SEEDA/SEEDA」では、初っ端から飛ばします。

後述する「NORIKIYO/Reason feat SEEDA」の続編を匂わすイントロから始まり、ヘッズの頭はスパーキングします。
このアルバムは、鋼田テフロンも参加しており、徹頭徹尾BACHLOGIC祭りです。

そしてAKLOも思い出せば、当初、完全プロデュース組の一人です。

果たしてかっこいいのか、よく分らないジャケット代表作(もとい壮大な復帰作)

すげぇ流行ったSIMONも、そういやあった。

そして、何一つ失っていないのか疑わしいBRON-K

この時代のイケてるラッパーの作品には、往々にしてBACHLOGIC印が付いています。
SALU、AKLOといったBACHLOGICのレーベルのラッパーを除けば、SEEDANORIKIYOは特にBACHLOGICの印象が強かったです。(つまり当時、一番イケてた。)

そして、本記事の「NORIKIYO/OUTLET BLUES」について



BACHLOGICが良い意味で全面に出ている作品だと思います。
逸話としては、「アウトレットブルース~蛇の道をゆく~」以外のすべての曲は、作り直しされているという手の込み様です。
NORIKIYOに対して一切の妥協なく、プロを感じる話です。

「折れ鼻のメガネ」

パドレスのキャップ折れた鼻面に眼鏡 金に目がねぇ 墓石屋のせがれ
だけに墓穴 深く掘ったもんだ 片足ツッコんで悪夢から覚める
ビリかけっこならもう無理ダメ でもビート上 代わりにフローが翔ける
I’m illinたいして問題ねぇラップは合法です期日までに完パケる
白紙ノートに鉛筆立てる俺とBACHLOGIC じゃ金に化ける
は?あいつはだめ 言ってたの誰 もうじきあいつらの手のひらも
返っちゃう 本当参っちゃう でもよまぁいいっか
つーか例のギャラはいるのはいつだよ え?マジなしぁそれ
効くわぁ まぁ一つネタじゃん リリックにでも書いちゃお

変わっちゃないね 昔と懲りない奴と闊歩する街を
半径5キロそこらの俺のラップソング 興味ないってあーそー
me too fuck off 積んじゃ崩すtoy 積み木のよう
手に取ったもんで遊んでるよう
何を今更言うの? sagami river
me too fuck off 積んじゃ崩すtoy 積み木のよう
手に取ったもんで遊んでるよう
何を今更言うの? sagami river

変わっちゃないね 昔と ダチと砕いちゃ巻いて吸うアジト
おい やいのやいの今更何よ 後聞き しゃーねー首ふっとけ
ほらちゃんと 
積んじゃ崩すtoy 積み木のよう
手に取ったもんで遊んでるよう
何を今更言うの? sag down
me too fuck off 積んじゃ崩すtoy 積み木のよう
手に取ったもんで遊んでるよう
何を今更言うの? sag down

2枚目のアルバムにして自己紹介に近いラップができるようになったNORIKIYOのパンチが効いた、まぁまぁ荒い曲です。
リリックの造りは、まぁ複雑。
一聴しただけでは、日本語ではあれど、
独特な語感かつ独特な発音で、何を言っているのか分からないです。
(それがかっこいい)
1枚目(EXIT)をがっちり踏まえたうえでの、挨拶の一曲です。




前回の記事でNORIKIYOのことを小悪党と表現したが
ANARCHYぐらいには、素行が悪かったように思うんです。
地元、相模原と他の町と喧嘩を繰り返し、組事務所を出入りしていた高校生(NORIKIYO)は、本物の喧嘩師のような川村という男と出会います。
喧嘩となれば、NORIKIYOは、最後の切り札、最強の助っ人として川村を慕っていたとのこと。(どういう世界、、)


そんなやんちゃなNORIKIYOは成長し、
時を経て、川村とは病室で(対面ではなく)再開することになります。
警察に捕まりそうになり、窓から飛び降り、足を骨折、
「一生車椅子生活を覚悟してほしい」と医者から宣告されたとき、病室には足を切断して老人と同室だったとのこと。



病室にある川村の本、その帯には、「片足でスキップできるか?」と書いてあったそうです。(川村さん本書いてたんや、、)

それらの経験、記憶が巡り、本作のタイトルは川村の本から引用し、またCDの帯は、川村に書いてほしいと思ったそうです。
これがOUTLET BLUESの走り出し、大きなイントロになります。

「アウトレットブルース~蛇の道をゆく~」


Work it out Get 何? Get Busy でかい 世界 出会いに
Work it out Get 何? Get Busy でかい 世界 出会いに

Walkin Down 蛇の道を行くよ よれて目が虚ろ 愛すべきくずと
どれもこれもさのみこんじまう渦の中 いつもの道を歩くよ
履き慣れた靴と新品じゃ差がつく 咄嗟に出るから締める 普通
等身大なりの俺なりのブルースを 朝のように天を向き手広げ吸って吐く
羽なんてねぇが空 見上げちゃ怒鳴る もう一回 あの日あの時へ
戻れたら ってバカmathafucka
まだ終わっちゃねぇさ 行くぜ アホんだら
今日いっぱい泣けばもう行くわ 訳はもう聞くな ありがとう少しずつだ
また一つ感謝 手合わす仏壇 知らねぇよ神は ただ 俺のルーツだ
目には映らん でもある質が 誇りがそれだ
繋いでけ絆 いつかまた会おう
きっとどこか 俺も大人おめぇのことだ うまく言えねぇがそういうことさ
talkin about この街のクズ いつもすぐズル ばっかだった
勝った数より負けが込んだ戻りゃさきは
ホーミー大丈夫さ 伸るか反るか じゃ下手こくのは百も承知
悪銭は泡と消え ドブがオチだ
やめた もうしない 鬼さん はいこちら
なんもねぇからそこにはもうよしな 9時から5時ならほら もう時間
心配 なんだよハニー そりゃ確かに
一理あるがよまじかにあるもん片づけてハグ それでいい
Walkin Down 蛇の道を行くよ よれて目が虚ろ 愛すべきくずと
どれもこれもさのみこんじまう渦の中 いつもの道を歩くWalkin Down

めっちゃ泥臭くてかっこいいです。
リリック全体がグダグダなところも、感情むき出しなラップを駆り立てるようで好きです。


この「OUTLET BLUES」で、東京を含む全国で、ライブを初めたそうです。
「よそ者のお前(NORIKIYO)には、ライブさせねぇぞ」というパワーゲームがあったそうで、恫喝や脅しなど、日々大変だったそうです。

本アルバムでBACHLOGICと製作をともにすることで、音楽の完成度はワンランクあがり、NORIKIYOの楽曲の音楽性はより磨かれたと本人がコメントとして残しています。

ということは、前述で上げたラッパーたちはBACHLOGICによって、もう一ランクを上げて、成長させられてるんでしょうね。
BACHLOGICは、日本語ラップの本当の立役者です。


「REASON IS feat SEEDA」


Yo, shorty 本当にねぇんだろ興味 止めんじゃねーでも急に
カーステと車は俺んだ 分かんだろ
フリースタイル中に 歌詞が湧き出るなんだか急に
書き留めてぇんだ分かるだろ ガキがアスファルトをチョークで夢中に
彩るようにただ無心 ありのままフロー できればいい 着飾らずにGO
持ってねぇんだ Bling Black のキャップに ダブルニーのDickies
やっぱ身の丈に合ったもんがいい ストレスなしでプレスほぐして
煙とずっと踊っていたいんだ まだUh 夢中にさしてくれよな
hiphop rock raggae 何でもいい ラジオ 本物かけてくれ
たねぇんだよ もっとさかけてくれ 中身がねぇのは避けてくれ
感動する奴を聞かせてくれ 音楽一時翼をくれる 社会とずれる 弱いと群れる
そうかもしれねぇ けど 感じたものなら偽りねぇ ただそれ乗せる

My Life My Way 俺のベスト ベスト Day
雲の上から ジャスタ ファーライ
My Flow My Rhyme My Every Thing
Hello My Little Friend I’m Born To Live
どしゃぶりの涙 晴れわたるココロ
雷の様な 痛み Hello
Hello 運命のならび 余裕 どんな時でも



ピーチクパーチク 外野がうるせぇ今日も
大丈夫 お前の席は空けて待つよ
格子が覆う窓の外 オレはココでスピットさ
それが労働 向かう方向 手段合法
油断少々 後ろにPow 昔からそう痛い目あっちゃ知る
躓いちゃ転がってみる
普段より広い空 気持ちが走る 伸るか反るか
それもいいな 愚か者が俺らしい
腰履きのズボン コンビニで缶ビール
CLUBならCOKE &ウィスキーでダンシング
よれたツラでラップするサンピン まんまでflow
それでもshinin’ まんまで居よう
それが肝心 ドクター やくざ ポリになるやつら 
職人 リーマン、道はたくさん
どれも安くはねぇハズさ 
ただSoulだけは売り渡すなよ 分かんだろ
そうタフに 生きようとする流石のカスへ
飼われてねぇ振らねえ尻尾
あっかんべmotherfucka 生きるしつこく


心のないヤツに歌は届かない
心のない歌は俺に届かない
悲しみの雨に足は止まっちゃないさ
俺のエンターテイメント終わっちゃない
HIPHOP 猿真似 終わる気ないさ
日本語ラップぶっちゃけ興味もないわ
枠組みなんかクソくらえだ
この星に住んでただ音楽を謳歌
楽しいってなぜ胸が張れないんだ
なぜ つまんないって今言えないんだ
和の国に咲いたトゲの花 SEEDA
例えるならば あの黒いカラス
例えるならば でかいドブネズミ 例えず言えば
時代が生んだ望まれない街の輩
山椒は小粒でピリリと辛い
好きなようにやらせてくれよ先輩
馴れ合いが体制なら俺は犯罪
なら俺が歌うことに理由はいらない
小ちゃなアリが知る地図は壮大
名もない魚と自由な大海
鳥と大空 広い世界に乾杯
俺が歌うことに理由はいらない


この曲は、SEEDAが客演であり、
当時のSEEDAの客演の曲は名曲に間違いありませんでした。
そして、この曲はその期待を大幅に上回ります。

この曲は、アルバムの中でも
群を抜いて完成度が高く
リリックかつトータルのバランスがとれているように感じました。

この曲のhookとバースを蹴っているSEEDANORIKIYOの倍ほど良いです。
語彙力もラップの表現力もレベルが違いますね。。
なので、この曲はむしろSEEDAの曲というイメージ(feat NORIKIYO)です。


和の国に咲いたトゲの花 SEEDA
例えるならば あの黒いカラス
例えるならば でかいドブネズミ 例えず言えば
時代が生んだ望まれない街の輩
山椒は小粒でピリリと辛い
好きなようにやらせてくれよ先輩


うーーーん、やっぱり
SEEDAの突き上げ、文学的な面白い比喩、ラップの滑舌
どれをとっても面白いな。。。良い曲や。。

日本語ラップオタクブログ

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください