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NORIKIYO アルバム

NORIKIYO/EXITについて(2020/7/1)

投稿日:2020年7月1日 更新日:

こんにちは

緊急事態宣言解除となり、「仕事はしていいよ、でも感染するなよ」というムード。
必要な対応だけど、矛盾してる気もして、経済(社会)が動き出すとどうしても
不要?不急?な外出は求められます。自ずと感染率も上昇するものだと思います。
もう、元の生活(マスクしなくていい、密室での飲み会等々、、、)は当分はあり得ないし、「コロナないですよ~」と解禁された頃には、元の生活を僕たちは忘れてるんだろうなと思ったりします。スポーツとかできないし、アクリル板がないと人と話せないのは、寂しいしいですが、どうせ慣れちゃいますし、その寂しい気持ちもすぐに慣れちゃうのだと思います。

そんな環境下で多くの楽曲がシリーズとして発表され、その代表は「Tokyo Drift」が挙げられます。インドネシアのラッパーRich Brianから始まったムーブメントは、日本人ではANARCHY, Leon Fanourakisがリリースし、最終的には重盛さと美まで広がりました。

兎角言われるそうな、ムーブメントでしたが、ラップが聴けるならええかなというレベル。誰かの音源が良くて、悪くてという序列がつけれられるようなものじゃないイベントでしたが、個人的には、Suboi, PizzaLove, ゆるふわギャングが好きでした!

もちろん前述のムーブメントとは関係なく、コロナにかかる楽曲が次々投下されました。前回の記事でも書いた気がしますがNORIKIYOもコロナに関連の楽曲をリリースしています。



在宅勤務、リモートワークも勿論「仕事」ですが、そろそろ出勤して
「仕事しよう」というご時世です。(ぼくは、ホワイト企業なのでリモートワーク!)


なお、NORIKIYOは、ラップのことを仕事といいます。

NORIKIYOは、ラップを「エンターテインメント」とか「みんなを元気づけるもの」とか中途半端な建前を言わず、ストレートにお金を稼ぐ手段として、ラップを「仕事」と呼びます。
それは、この間、捕まったMC漢にも言えることです。(クリーンなラップ以外の仕事で、捕まったけど)

受け子だの、イリーガルなことでしかお金を稼げなかった人たちが
足を洗い
合法的に稼ぐ手段、それがたまたまラップだったんですね。


NORIKIYOの性格上、
すべての出来事について耳が痛くなるほどにストレートにラップします。
年々に無駄な表現がそぎ落とされ
アルバム収録されている曲の一部は、時に楽しめるか否かギリギリのシリアスな温度感の作品があります。

NORIKIYO特有の至極ストレートな表現は、ここ最近のことで、
ファーストにして、クラシックアルバム「NORIKIYO/EXIT」は、

抽象的な表現、似たようなトピックが並んぶんです。
MSCのようなゴリゴリの悪さではない、「小悪党」感と社会を斜めに見たラップが日本語ラップシーンに刺さったように思います。
特にI-DeA、BACHLOGICといったファーストにして、最高なプロデューサー・トラックメーカー陣に囲まれ、作品の完成度の追い風となっていたと思うんです。
NORIKIYOはEXITの売り上げで楽にご飯が食べれて、生活できるほどの収入を得ていたそうです。ラッパーとして売れるのが早かったんですね。(当時の本人は、贅沢をして楽な生活が叶ってなかったようですけど)
早々にSEEDA、DJ ISSOと出会い、CONCRETE GREENのムーブメントの渦中、NORIKIYOは、SD JUNKSTAを立ち上げ、CD500枚を売りさばいたスピード感は、「仕事」といえるモノだと思うんです。
趣味程度でシングル、EPをitunes、Spotifyで楽々配信する今では考えつかない、労力と費用をかけてることが予想されます。(当時のSEEDAはCONCRETE GREENを1,000枚売り上げ、個人名義でレコードもさばいていたそう)

じゃぁ、ラッパーとしてエリートなNORIKIYOは、順風満帆な人生だったかというと、どうやらラッパーに至るまでに紆余曲折があったようです。

NORIKIYOの初音源は、K-NERO名義で「ガキの戯言」(「SEEDA/花と雨」収録2006年)

この後は、本題である「NORIKIYO/EXIT」(2007年)に至るんですけど
ガキの戯言に至るまでは、あんまり褒められない「仕事」で、サガミグループ(のちのSD JUNKSTA?)で稼ぎ倒し、NORIKIYOは無事逮捕されています。

3ヵ月の留置所で無事、シャバに戻り、反省してラッパーかと思えば
ありもしない債権を買ったり、売ったりする架空請求詐欺に手を染めます。
その方法も、メールではなく電報を使っていたようで、携帯電話で電報が打てなくなり、時代の流れに追いつけなくなったアナログなサガミグループは、足を洗いたいとボスに頭を下げたそうです。なお、そのボスは、殺人幇助の罪で指名手配されていることを、「足洗い」の1週間後に知り、自分たちがヤバい社会にいたんじゃないかとやっと理解する鈍感具合、世間知らずだったとのこと。

そんな大きな遠回りでやっとラッパーデビューできたわけです。
NORIKIYOの人となりを整理したので、本アルバムを見てみたいです。

「23時各駅新宿」

23時各駅新宿シルバシート ヘッドフォン中なるMOBB DEEP
背にリュック車は避ける小田急train 乗りデリバリー酷刑
撥ねた円が取り分 2度目はねぇ網渡り懲りず万件ポイズン
甘い汁かぎ分ける よく見ろ後ろサルも木から落ちる かけた天秤は
結局GOサインしのぐ路上じゃ濁しちゃ対応
隠す尻尾つかまりゃ速攻
あっという間にFALLIN ファミマでtalikin分かんだろHomie
ぬかるみさどっぷり locoどこなら底辺pyramid悪夢の続き
それとも天竺? んなわけぇ目前そらすな
現実が叩くケツ 走らす鉛筆

耳すましなこの街の音色
電卓じゃはじけねえ絆、仲間、鳴らす音が呼んでるどこだ
俺なら此処だよ此処、此処だ

日銭、飯の種、足りねぇんだよ万券
MondayからSundayすぎる 時は金
確かに24 こいつだけは平等 ただ過ごすか 積んでいくかどっち
腹決めろLIFE IS SHORT まだ何も手にしてないまま諦める
さらさらねぇよ高々振れよHANDS UP 俺なら此処さ神奈川相模
この街のダチと勝ち上がる途中の話 かわっちゃねえんだガキの頃と
しけたツラしたって始まらねぇ宝探し のりの話
何が正しい 何が間違い 何が悲しい 何を感じたい
何を信じる 姿形 見えない何かに見出す明日
何が悲しい 何が間違い 何が悲しい 何を感じたい
何を信じる 姿形 見えない何か 結局それだろ

リリックは、今の形と比較するとかなり手探りで、その分、葛藤している感情がむき出しの印象。
前科に近く、世間からマークされている存在だと思われるのに、何故か「自分はここにいる」と主張が強いです。
悪いことから足を洗ったことで、「自分とは何か」という自問自答が「メランコリック現代」まで続きますが、NORIKIYOの「この世に生きる意味(生きて良い理由)」、「存在意義」を問うのは、一貫した大きなトピックのように思います。






「RAIN feat SEEDA」

古傷が痛む もうすぐ雨が降る
月のない夜 ドア開けちゃ佇むまた何かに追われては荒ぶるHEART
約束のPAYならもうすぐじゃん 足りねぇ銭ならどうするんだ
KEY回すボロの100の原チャ 駅前の銀行ひったくるBAG
混じる善と悪のエントランス ガキじゃねんだって思いとどまる
糞まみれ俺は坂を転がる 道端の石みてぇなちんけなやつ
未だ来ぬ春 焦がれちゃ待つ 水はやれど花は咲かず
諦める前にまたペンを走らす 手段は選ばず いや選べねぇ
先ずはget cash 頭上あざ笑うデビル
大丈夫言い聞かす俺ならできる
親方も嫌がる障碍じゃリーガルでなにできる ってラップを杖に立つ

夢と反比例 減った紙切れ
蹴っ飛ばす未練 どこが分岐点
ゴマはすらずこの土地で地で
誰じゃねえよ ちげぇ 我が道を行け


NORIKIYOの独特な言い回しが目立ち、特に雰囲気が好きな曲です。
SEEDAのバースは割愛しましたが、「花と雨」から「街風」に至るまでにレックされたフローを感じます。(この独特な言い回しとフローの「街風」を聞きたかったなぁ)
当時のNORIKIYOの癖だと思うんですが、リリック内で対比が多いです。
2 faceで連発する「光と影」「裏と表」、IN DA HOODのhookの「俺なりの定義、ポリの言う正義」「シャバからJAIL」「死んでから生」。


言葉を対比させたリリックを拝見する度に、”当時のもがき”を感じます。特にRAINのhookの「夢と反比例(”現実”)」が、大好きです。
この曲は、立場、精神状況を更新した次回作「Reason feat SEEDA」に繋がります。

本来リリックというものは、トラックにラップとして言葉を乗せることで、本来の機能が発揮されるものだと思うけど、
リリックだけを抽出してみるのも、(NORIKIYOだけでなく)様々なラッパーのリリックを詩集として見てみるのは本当に楽しいです。

NORIKIYOのいいところは、一曲のヒット曲にすがることなく、更新し続け
過去の曲が一切風化しないところです。

2020年今日、誰でもラッパー時代。ラッパーが多くなった今、ずっと曲を出し続けることに価値があって、体力勝負なところがあります。


最後に、
NORIKIYOのことを、アジカンの後藤さんが「反骨と愛」という
言葉の対比を利用して、表現していました。

今と昔も、NORIKIYOのリリックを纏めると「反骨と愛」だな、確かになぁ。言い得て妙です。

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執筆者:


  1. ぽ太郎 より:

    更新お疲れさまです!
    「仕事しよう」で田我流の横で寝てるのってBRON-Kですかね?
    またがっつりラップしてほしいなあ~

    • wpmaster より:

      ぽ太郎様
      コメントありがとうございます!
      「仕事しよう」の時のNORIKIYOの危機迫る風貌(危ない思想持ってそう感)が大好きでした。
      EXITからしたら、方向性の舵の切り方がうまかったなと今から思います。

      なお、あれは、もしかしたら、SD JUNKSTAのTKCかもしれません。(同じ坊主ですが、BRON-Kは森のクマさん感がある方ですね。。笑)
      今、NORIKIYO/OUTLET BLUESの記事を書いてます!!
      次回も拝読いただけると嬉しいです!!

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