HAIIRO DE ROSSI/空 について(2018/5/24)
こんにちは
先日、KOK東日本予選の様子がYOU TUBEに上がりました。
なんと、そこにHAIIRO DE ROSSIがいて、びっくり。
元HOOLIGANZ、Forteの社長です。
途中パニック障害による精神不安定で、シーンを出たり入ったりでしたが、
アルバムはリリカルで知られています。
アルバムはリリカルで知られています。
2017年のUMB東京予選にも出ていましたが(1回戦D.D.Sに敗退)、
もともとHAIIRO DE ROSSI自体バトルを下記のように捉えていたようです。
もともとHAIIRO DE ROSSI自体バトルを下記のように捉えていたようです。
「バトルって、エントリー料の2千円ぐらいを払えば、うまく決勝まで行けば合計で20分は舞台に立てるんです。そう考えると、バトルといえど2千円で20分ライブが出来るのと、10分のライヴ枠もらうのにノルマ1万円ってのとを秤にかけると、どう考えてもバトルの方が得だろうって。」
なかなか、そうは考えないラッパーが多いと思いますが(私含め)、
目の前の勝負に勝ちにいくわけではなく、
言葉でラップを描くHAIIRO DE ROSSIにとってバトルは絶好の場。
本物のアーティスト的感覚ですよ。
目の前の勝負に勝ちにいくわけではなく、
言葉でラップを描くHAIIRO DE ROSSIにとってバトルは絶好の場。
本物のアーティスト的感覚ですよ。
ベスト4まで行けば、有名にもなるしコネも広がる、、お手軽なんですと。
そんなHAIIRO DE ROSSIは多くの作品を世に残します。
「HAIIRO DE ROSSI/KING OF CONSCIOUS 」
特にこのアルバムなんか、コンシャスが流行った時でしたし
世間がイメージする良心とはずれがある気がするけど(いや、僕がずれてるかも)
弱弱しいフロー、哲学じみたリリックは他にいないラッパーでした。
「HAIIRO DE ROSSI/空 KARA」
空を『カラ』って読ませるところが面白いですよね。殻、枯、空っぽ……
内容は考えすぎでしょ(日本語ラップにありがちな勘ぐり)。。。って感じですけど
HAIIRO DE ROSSIは今まで以上に自分が考えるヒップホップを
このアルバム内で全力で体現したんだなと感じました。
このアルバム内で全力で体現したんだなと感じました。
HAIIRO DE ROSSIは日本語ラップを本・絵画・映画同様の芸術作品だと
本気で思っていると思います。
本気で思っていると思います。
日本語ラップにかなりの高尚性を求めていると思います。
歌われるリリックを文章、絵具、俳優ととらえて
歌われるリリックを文章、絵具、俳優ととらえて
丁寧にラップされます。
新しいものであればあるほど、ではないでしょうけど。
何か「芸術性」をラップに求めています。
面白いのは歌詞カードが縦書きの曲があるんです。恐らく意図があって縦書きなんですよね。
ラップで縦に読ませたい(日本語としてラップしたい)曲って、本当の意味では少ないと思います。
個人的な私のこのアルバムの評価はメンヘラをアートに昇華させたラッパーなんです。笑
(本人が観たらめっちゃ怒るでしょうけど)僕が望む日本語ラップの完成版かもしれません。
(本人が観たらめっちゃ怒るでしょうけど)僕が望む日本語ラップの完成版かもしれません。
「狂い咲き」
また何処かの国か銃声 ゲスなマスメディアはそれを喜んで中継
滑稽まるでグラミー
血や肉がアートならば地位など脂身
嗚呼 何を描く文無し 問題は数あれど見え辛い本題
生きるそして死ぬ 893で描く北野武さながら
芸術は行き場無くし 今も嘆き悲しむ
異国の地の黒人の文化 それを敬い育て返す時はもう近い
嗚呼気が違ったらしい 元から?
また始めるんだ今宵まさに此処から
咲き乱れる桜満開夜桜
さらば今日さすれば明日 狂い咲きなさい
夜(世)が明ける(開ける)まで
この曲がこのアルバムで一番初めに作成されたそう。
なんなら、この曲だけでアルバム作ることを決心できそうなのほどの出来です。
トラックは「サンプリングー」って感じですが、
それに乗せるHAIIRO DE ROSSIがいいです、最高です。
それに乗せるHAIIRO DE ROSSIがいいです、最高です。
椎名林檎がラッパーだったらこんな曲を書いたんでしょう。
バースとバースの間でなぜか笑い声、喘ぎ声が聞こえます。笑
トラックに無駄に言葉を詰め込むのでなく、洗練されています。(喘ぎ声入ってますが)
『滑稽まるでグラミー 血や肉がアートならば地位など脂身』
韻の置き方、リリック、パンチライン どれをとっても100点満点です。
特に『血』と『地位』と語感は似てるけど『そぎ落とされたストイックさと強欲さ』の相反する対比が大好きです。
『異国の地の黒人の文化 それを敬い育て返す時はもう近い』
ずっと語られ過ぎてて、飽きちゃう議論ですが
「日本語でラップするの?」という問題。もう日本の文化として根付いたわけですし。
今でも稀にテレビで流れるブカブカな服にチェーンをぶら下げたテンプレートなラッパーはこの世にいないでしょう。
『さらば今日さすれば明日 狂い咲きなさい 夜(世)が明ける(開ける)まで』
このパンチライン だけでこのアルバムを買ったことにお釣りが出ます。
世のラッパーは勉強してリリックをたくさん丁寧に描きなさいと。
なんならトラップいらずに、人の心を揺らせます。
「This lyrics Ain’t free」
SEEDAや般若 KREVA sky-hi ヒルクライムのTOCだろうが前座で食うlike仁義
シンプル is best 俺にかかりゃミンチ
KOCまるで内山 パトロンだったらニゴより藤田
個人名を上げて、ラップしています。
短い曲ですが、「これで十分っしょ?」みたいなイキった曲です。
アルバムに無くてもいい曲ですし、聴かなくてもいい曲です。
ケンドリックラマーをサンプリングする位なら、BAD HOP同様の感情に陥りましたが、
まじで当たり障りのないところばかりにディスするな!っていうやつですね。
(まぁ、この曲が本来の意味のディスじゃなくても)
まじで当たり障りのないところばかりにディスするな!っていうやつですね。
(まぁ、この曲が本来の意味のディスじゃなくても)
こればっかりは減点もの、他の曲が良かったので80点くらいのアルバムです。
(偉そうでごめんなさい)
(偉そうでごめんなさい)
HAIIRO DE ROSSIはシーンにいるのかいないのか
分かりにくいラッパーですが、アルバム作品自体はある程度の評価を得ているMCだと思います。
この作品はずば抜けて大好きですし、無人島に持っていくシリーズの1枚です。(1曲めっちゃダサいですけど、飛ばせば問題なし)
これからも可能な限り、追っていきたいです。
日本語ラップオタク