ZEEBRA/BASED ON A TRUE STORYについて(2018/4/13)

こんにちは

オールナイトニッポン0でCreepy Nutsがレギュラーを務めました。
ラッパーがオールナイトニッポンのレギュラーになるのは初めてでしょう。
ラジオ好きの私からしたらテンションが上がるニュースです。

宇多丸のように映画批評や有識者のような会話が繰り広げられるわけではありません。
どちらかと言えば深夜ラジオリスナー向けの内容です。
Creepy nutsの放送作家は福田卓也さんです。
この福田さんこと、福ちゃんは「有吉弘行のSND」「三四郎のANN0」「アルコ&ピース D.C.GARAGE」を担当する作家さんです。
つまりは思いっきりお笑い向けの作家さんなんです。
このラジオのコーナーは『大江戸シーラン』というものがあり、
「 Shape of you 」の冒頭に流れる「ポンポンポン」の部分の歌詞を
考えるネタコーナーがあります。

いやぁ日本で一番強いMCバトルの王者がですよ。
こんな親近感を持てていいのかと。
本当にR指定はフリースタイルをしているときは無敵です。
UMBの本選に5回出場(大阪代表5回)し、3回連続優勝です。
あのHIDADDYも3回代表です。

そんなR指定の強さを分かりやすく世間に伝えたのが
ZEEBRAのフリースタイルダンジョンでした。

毎週放送される番組に出てくる名だたる挑戦者を
R指定はバタバタ倒していきました。
お茶の間に分かりやすくラッパーの凄さを伝えたR指定
このオールナイトニッポン0のレギュラーを勝ち取りました。
(オールナイトニッポンRの過去の放送が評価されたんでしょうけど笑)
そんなR指定のオールナイトニッポンのレギュラー獲得に貢献しているだろう
ZEEBRAのアルバムについて書きたく思います。
ZEEBRA/BASED ON A TRUE STORY
BASED ON A TRUE STORY
ZEEBRA
ポリスター
2000-06-14


前作の『THE RHYME ANIMAL』は今でもDJプレイ中に聞くレベルの基礎中の基礎の日本語ラップです。

THE RHYME ANIMAL
ZEEBRA
ポリスター
1998-06-17


トラックからコンセプト・ライムまで基礎中の基礎です。
一方、本作では「俺はこんなことも出来るんだぜ?」という色気付いた
スキルフルなZEEBRAの作品となっております。
「事実に基づいた話」となっている通り、ノンフィクションの曲もあり
ストーリーテラーをしながらも固くラップするスキルフルな展開を用意しました。

当時少なかった典型的なギャングスタラップを提示して
しかもストーリー仕立てで尚且つラップとして成立させた
「CHILDREN’S STORY」には脱帽です。
それは昔々あるところに
いたごく普通の東京homie
電車に乗り、ヤンジャン読み
通ってた都内のある学校に
週末はテスト中もノリノリで
先生や親にゃマジこりごり
仲間はすでに二人辞めて
自分も危うく退学なりかけて
だけどいまだになんとか通学中
辞めた一人はロスに留学中
たまの夏休み向こうで覚えた
悪さの数々にさらに増すハプニング
例えばコークにヘロイン LSD
思い浮かべる間違ったベニスビーチ

ビジネスは絶好調
次第にいいもん着だして別行動
そこにジェラシー ポリに通報
学生名簿から調べる住所
逮捕状片手にインターホン
中にゃ後の二人のキーパーソン
そこで17歳がとった選択肢
それは17階からの転落死

まじで、ここまでのリリックを完成させるには何か月必要なんでしょうか。
だるまさんも構想を練ってリリックを完成させるまでに1年ほど要する曲もあると聞きますが、
ZEEBRAのこの曲も丁寧にすぎるほどに緻密です。
この曲をもって、日本語ラップの申し子と評価しても良いでしょ。
いわば天才です。

「結婚の理想と現実」

ガキの頃の俺んちは 母子家庭
嫌なことだって あったぜ 少しだけ
運動会じゃ オフクロ 頼りなくて
肩車だって もっと乗りたくて
普段は あんま 気がつくモンでもなく
そのぶん 父の日なんか とんでもなく
似顔絵 描いて 贈ろうっつったって 先生
見たことなきゃ どうにも描けねえぜ
小学生になり親が再婚し 八つ下の弟も 誕生し
明るくなってきたぜ 回想シーン
親父 マジで リスペクトしてるぜ
最高に 何が無駄で 何が大切か
俺に教えた 真の解説者
俺は 親父の 背中 見て育った
世界に引け取らない リアルラッパー

小学生の頃から問題児
相当しなきゃヤべぇな恩返し
親 呼び出しなんて 月一回ペース
ラップ しきれねぇぜ 問題 一杯で
中学生になり 時が経つに つれて
適当に スレて 適当に グレて
レール外れて トゲの道 親のせいじゃねぇぜ
全て 俺の意志
そんな頃 実の父初対面
会って すぐに思ったぜ 間違いねえ
うっすらとだけ 残ってた 記憶の中で
あった人と 同じ ホクロ
俺は あくまでクールだぜ
離婚や再婚も 社会のルールだぜ
ガキじゃねぇから 全部 解ってたぜ
会う日 ただ 楽しみに待ってたぜ

そんな俺も 今じゃ 二児の父
しかし 結局 俺も同じ道
結婚の 理想と現実
それは 離婚届と万年筆
たった一人で 子供持つ苦労
身にしみて わかるぜ オフクロ
相変わらずの サポート マジ サンキュー
頑張るぜ 一日中 一晩中

この歌も圧倒的に天才です。
この当時のZEEBRAは語尾で固く韻を踏んでおきながら
話の筋を完ぺきに通す粋でいなせなラッパーでした。

この2曲の他に男の条件、城南ハスラーなど
有名な曲を収録しており
所々skit代わりにUBGのメンバーがフリースタイルをキックしています。
今から聴くとチープなんですが、いい味出してます。
以降ZEEBRAは数々の作品を出しますが
本アルバムと「World Of Music」は個人的にとても気に入ってます。

World Of Music
ZEEBRA
ポニーキャニオン
2007-10-17


時代の流行をしっかりとキャッチできる繊細で偉大なラッパーだと評価できる一方で、たまに残念な発言もあるので
DABOしかり、大御所からtwitterを取り上げてほしいと思う日々です。

日本語ラップオタク

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