神門/苦悩と日々とど幸せについて(2018/1/11)
こんにちは
今流行っているSEEDAの「ニートtokyo」というYou Tubeのアカウントがあります。SEEDA好みのラッパーを招集し、1人のラッパーがインタビュアーから受ける質問に答えている様子を短い動画に纏めています。
ゆるふわギャング、呂布カルマ、YEN TOWNから最近注目のtohji、Moment、SHOというラッパーが取り上げられており、普段見れないラッパーの様子が垣間見れる注目のアカウントです。
一方で、SIMI LABを脱退していたQNがユーチューバーとしてデビューしました。
QNはNORIKIYOとOMSBとのBEEF以降、ぱっとしない状態が続いていましたが、ここらで巻き返したいと思っているのでしょうか。
QNのファーストアルバム「THE SHELL」は本当にいいアルバムでした。自身のフローもバチバチ決まっており、メリハリがありました。(今はだらっとした残念なフローです。)
今後ラッパーのYou Tubeのアカウントも注目すべきですね。
今回もアルバムを通してラッパーを紹介したいと思います。
「神門 / 苦悩と日々とど幸せ」
本当はファーストアルバム「三日月」や「こころ」「栞」などから触れていきたいところですが、直近で一番良かったアルバムから感想を述べたいと思います。
神門のすごいところは、含みがある表現・比喩表現が一切ないストレートなリリックです。ラップの性質上、どうしても韻を踏むために無駄な表現を必要とします。
ところが神門はポエトリーでありながら、しっかり韻を
踏みながらストレートな感情をリリックにします。
踏みながらストレートな感情をリリックにします。
アルバム「栞」で「空箱(抽傷)」という曲があります。
比喩表現を使用し、何か意味深なことを歌ってるように思うが、ほとんどアーティストの伝えたいことは「空箱(抽傷)」で聴いても意味のないクソ芸術家とディス曲になります。
またこのアルバムでも「インストゥルメンタル」という曲があり、形から入る(リリック以外)ラッパーのことを軽蔑している内容の曲です。韻を踏むことがラップではないが、ポエトリーだからといって韻を踏むことは避けないという意味のリリックも存在します。
ここの部分だけを取り上げると、攻撃的なポエトリーラッパーのように思いますが、ファーストアルバムは全曲ラブソングという恐ろしい内容になっています。
しかも男の心にえぐり込むストレートな内容になっており、このファーストアルバム以降の熱狂的なファンは全て男性です。(語弊あり)
そして、私もその一人になります。(語弊なし)
ファーストアルバム以降の曲もほとんどがラブソング(失恋ソング)で、男性の共感を禁じ得ない曲のみしかありません。
神門代表的曲が3曲あります。
①「さて、どう生きようか」8:27
②「いのち」5:19
③「夢をあきらめて現実に生きます」12:23
お分かりでしょうか……
タイトルの横にある数字は、なんと曲の長さです。
そうです。どの曲も究極的に長いです。
ただ、日本語ラップではよくあること。曲が短いゴミみたいなJ-POPとは違うわけです。
本当の本当は①と②を解説したいですが、
今回は「苦悩と日々とど幸せ」を解説したいと思います。
このアルバムは約2年ぶりとなる通算6枚目のアルバムです。なぜ2年もの間、休止しさていたのか。
神門はラッパーとして一人の女性を養う困難さに直面し、公務員試験を受けたためです。
神門の渾身のアルバムでも一人の女性を養うだけのサラリーは得られませんでした。(多分)
神門はもちろん公務員試験の為に勉強するのですが、試験勉強という行為は今までのアルバム、ライブでの発言を否定することに気づき、悩みます。
何とか『現実』の為、吹っ切れ、勉強を続け、試験を受けます。
しかし、悲しいことに『現実』はそんなに優しくはありませんでした。
それでも『現実』の為に、神門はなんとか職を探そうとします。
何で生活していくか、何で食べていくか……そこに待っていた答えは神門の『現実』と向き合うこと(=今までキャリアを積み重ねてきたラッパーとして成長し生きること)でした。
という葛藤を神門は、ブログの中で、本の中で、エッセイの中で……
いいえ、ばっちり12分強の曲の中でラップしています。
詳しい内容は上記③で聞けます。(試験勉強内容まで詳細に聞けます)
もちろんintroの次曲『教室の隅ホックを閉めた君へ』から度肝を抜かれ続けます。
アルバム1枚買っても、心のお釣りが出ますので、是非購入願います。
このブログを書こうと決めた時にうっすらとラッパーが浮かんでいました。
PUNPEEも、RAU DEFも、ZORNも、、、神門の素晴らしさについて研究した論文を出したいです。
(PUNPEEのアルバムは私の文章力では稚拙すぎる為、筆が進みません)
日本語ラップオタク