ZEEBRA/THE RHYME ANIMALについて(2019/10/18)
こんにちは

久しぶりのアルバムレビューです。
さて、書かない間に、たくさんアルバムも出たことですし、
何を書こうかなとわくわくしているところ、Twitterで少し気になる小競り合いが。
ROWAXXXとZEEBRAさんが少し小競り合いして、NORIKIYOがしっかり釘刺していました。(いつものこと)
それまでは日本語ラップヘッズとして多少なりとも許容範囲なんですけど
そこに主義主張を繰り出す烏合の衆が見るに堪えないコメントばかり。
ネタとして、面白くボケるツイートなら笑えるんですが
ここぞとばかりにZEEBRAに直接返信したりして、気でも狂ったかと(それで返信するZEEBRAも気でお狂いに、、)
やれ、「ダサい」だの「曲で返答してください!」だの「アルバム作れ!」だの。
「ラッパー同士だから、曲だろ!」
(そりゃそうですけど、くそ一般人如きが、本人にTwitterで言わなくてもええでしょ、、と)
ROWAXXXの女の蔭口みたいなツイートに対しての返答とかのやり取りを
日本語ラップヘッズに見せないでほしいのが本音っちゃー本音ですが
レジェンドからTwitterを取り上げる委員会もないので、個人の自由とするならば、
一般人は静観するしかないですね。
だって、だってですよ。
ZEEBRAは超偉大ですからね。笑
自分のことを父親でヘッズや若手のことを子供だと思ってるんですよ。
そりゃ、怒らず対応します(言語が超不自由なだけで心優しいdaddyです)。
ということで今回はZEEBRAの大傑作をレビューしたく
「ZEEBRA/THE RHYME ANIMAL」
何が言いたいかというと、ZEEBRAのやらしい技を魅せ付けたアルバムなんですよね。
「韻踏んで、ラップするなんて誰でもできるけど
ストーリーテラーをするのは、難しいでしょ?」といった感じだと思う。
悲しいことに、CHILDREN’S STORY、
結婚の理想と現実を
結婚の理想と現実を
超える纏まった上質な日本語ラップのストーリーテラーは未だないと思います。
インテリジェンスさを際立たせたアルバムです。
一方ですが、本アルバムは「キングギドラ/空からの力」
の模索中のラップスタイルを完全に消化しきって、
ある程度の期間の「日本語ラップの形」の体系化に貢献した作品です。
参考書になってしまったラップスタイルです。
本アルバムは、キングギドラのサイドMCこと、日本で最初にフリースタイルをした男こと
T.A.K THE RHHHYME
T.A.K THE RHHHYME
のエッセンスがふんだんに入ってるんじゃないのかと妄想する作品です。
私は高校生のと、T.A.K THE RHHHYMEとZEEBRAは同一人物じゃないのかと変な考えを持っていました。(怒られる)
というのも、韻の置き方、踏み方、力の抜き方は、
Street DreamからZEEBRAを知っている私からすると、雰囲気はT.A.K THE RHHHYME寄りなんですよね。
今から考えると、T.A.K THE RHHHYMEが進化せず、ZEEBRAだけラップスタイルが進化したという考え方の方が正しいでしょうが。
ZEEBRAという男は、知的かつ技巧派、制球が完璧なピッチャーといった印象です。
「I’m Still No.1」
固く拳握りしめ向かうリング
堂々とした態度 まさにキングの風貌
割れんばかりの歓声
この時点でもう既に判定勝ち
イケイケハードパンチャー
Zeebra the ill skill トップランカー
パンチドランカー急増中
皆吹っ飛ばされて遥か上空
必殺のボディブロー
蝶のように舞いハチのように刺すフロー
今日も作る新しいヒストリー
手に入れるぜ 栄光のヴィクトリー
まさにボクサー並の過酷さ 孤独さ
だがもうすぐ届くさ
ドクターストップ 聞く耳持たず
ヤバ目ワンツー 即ぶちかます
一瞬のスキ突いて見事スティール
軽く抜く敵のトリプルチーム
リズム打つドリブルで即突破
どんな攻撃も速攻ターンオーバー
ゲーム前はやたら偉そう
やって見りゃマジでひどいエアボール<
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口だけ番長 三秒で蹴散らすし
向かうところ全くの敵なし
イルなループ 狙えあのフープ
タイミング合わせかますアリウープ
このゲーム 既に俺達のペース
シュートのふりして入れるフェイク
待ってたぜ 監督のゴーサイン
終了間近 今日のショータイム
見ててくれ 俺のセニョリータ
フリーでスリーかますブザービーター
理由は知らないですが、バスケを背景としたラップです。
不良を売らずに出た、本アルバムの看板曲です。
ものすごく基本がしっかりした曲で、語尾で必ず踏むようにしており
次のバースでは必ず新しい韻を固く踏んでいます。
かつ工夫されたフローの仕上がりの為、聴いていても飽きない一曲です。
この曲は小まめにいくつかの曲がサンプリングされているそうで、そのうちの一曲が
「Mohawks / The Champ」だそうです。
ヒップホップの面白みも同時に伝える曲として、丁寧な一品です。
「永遠の記憶 feat. T.A.K. the Rhymehead」
中坊の俺は家に帰らず
学校の帰り まず街に繰り出す
公園通り いつものように
過ぎる夕方は四時から五時
集まった仲間 様々な学校
制服 私服 色んな格好
たむろする場所はセンター街
プライム ジャクベ マック ケンタ前
補導員や警官達の目かすめ
夜な夜な仲間内 街に集め
パーティーや喧嘩 ナンパにフルーツ
ティンバランドじゃなく安全靴
物事の良し悪しも知らぬ頃
上の人達の足跡をフォロー
色々あった十代の夏
ライターのガス吸って死んだ奴
捕まった時に親がした表情
抑えつけられ輪姦された少女
シャブで出入り繰り返す友人
あの頃なら話せた普通に
夢中になって街に刺激探し
無免で親の車乗り廻し
バカなことばっかしてた頃
何も考えずにいれた頃
十代に得た経験 過去の記憎は常に永遠
変わることないあの街角
何一つ妥協せず果たす野望
それぞれが得た貴重な経験
過去の記憶は常に永遠
変わることない あの街角
何一つ妥協せず果たす野望
濃い目で軽く太目のリーバイス履いて
跨る 盗んだバイク
走らし向かう原宿から渋谷
行けばきっといるかzeebra
いつものゲーセンでダラダラ
気がつけばもう閉店
熱く長い様で短い夜 また同じ面子が残る
記憶現像 フラッシュ 光当てたフォトグラフ
開かれたアルバム
忘れもしないぜあの頃
危険さえ顧みない十二年前
かつての悪ガキも立派に成長
あの時が過ぎ去る街
遥かに夢見ていた成功は我らに
今のラップスタイルのような力強いラップではなく
レイドバックしたようなフローのラップで、淡々と踏むラップスタイルです。
「経験」と「永遠」でしっかり踏んでいたいですね。
「真っ昼間」
午前十時 部屋の中は既にサウナ
この暑さじゃ目が覚めちまうな
冷房ならあるが喉に悪ぃし
朝起きた時気分ダリぃし
取り敢えずは復活のシャワー
ゴシゴシと頭洗いながら
ボブの歌か何か口ずさみ
朝っぱらから風
呂場で一人Jammin’
呂場で一人Jammin’
なんて余裕かましてる間もなく
唸る電話に予感されるハードワーク
焦って出てみればただのイタ電
呆れるぜ こんな空の下で
気分取り直して歯磨く
ヒゲも整えて街に出る支度
開くタンス 出すTシャツに短パン
後は葉巻と冷えたシャンパン
車に乗り込んでキーをイグニッション
差すと同時 窓開けて疾走
向かう先はいつもと同じ
ヘッズ共多くたむろする街
ゲットしたばっかのミックステープ
カーステで鳴らすぜクソ渋いベース
真夏の真昼 思い切りチル
首でリズム取ってハンドル切る
Yeah, 羽広げ飛ぶセスナ
そんな夢あおるエア・フレッシュナー
香るココナッツに常夏の島
思い浮かべながら過ごす今
鳴りだした携帯電話に出る
昨日の夜知り合った娘と喋る
また今度会おうと約束すれば
そこの道歩く他の娘に目が…
昼下がり辺りカラフルな人だかり
活気満ちあふれた夏真っ盛り
そんな中に仲間発見
マジで偶然 いわゆるクサレ縁
何してんだとか言って
蹴り一発軽く入れ合ってすぐに出発
徐々に気になりだした時計
一時過ぎ そろそろ今日の予定
直射日光 焼けたアスファルト
気の知れた奴らが集まると
昼間から公園でバーベキュー
ラジオからはノリノリのパーティーチューン
少しぬるくなったモエもご愛敬
こんな夏の日はやっぱ最高
そろそろ夕方 だけどまだまだ
ハメ外す夜の部はこれからだ
真っ昼間であれば、どんな馬鹿でもZEEBRAを思い浮かぶと思います。
変な人たちが言っているバトルビートとかいう謎のワードとして扱われない背景もあり
若い人に対して若干の知名度不足かもしれませんが
ちゃんとした義務教育を受けていれば、初代総理大臣といえば伊藤博文、
真っ昼間といえばZEEBRAです。
真っ昼間といえばZEEBRAです。
この曲のZEEBRAであれば、THE OTOGIBANASHI’Sに入れてます。
BIMの横にいても違和感なし。マジでいい曲。
そんなこんなで、聴いて気持ちいし、かっこいい
うんでもってリリックの勉強になるといった一石三鳥にもなる
有能過ぎるアルバムです。
是非、お手元に置いておきたいアルバムの紹介かつ
ZEEBRAさん尊敬してるんで、これ以上変なこと言わないでください(しないでください)
というヘッズからのお願いでした。
というヘッズからのお願いでした。
日本語ラップオタクブログ