Yasco./三人家族について(2019/6/1)
こんにちは
最近、チャラチャラした『爽健美茶〜』がCMで流れている。
人気を博しているchelmicoなんだと思う。
よく知らないが、見るからに”サブカル”と”チル”といった流行そのものを
纏った迎合スタイルの彼女たちを聴かずに嫌いになっちゃってる。(ちょっとだけ聴いたことある)
纏った迎合スタイルの彼女たちを聴かずに嫌いになっちゃってる。(ちょっとだけ聴いたことある)
たぶんミーハーな僕がハマるのは時間の問題だから、
chelmicoが生き残るか、僕が重い腰を上げて先に聴くのか…
chelmicoが生き残るか、僕が重い腰を上げて先に聴くのか…
ところで、chelmicoで思い出したわけじゃないんですけど
この間ライブを観て、めっちゃいいラップするなー!
と思ったラッパーのアルバムを挙げたく。
Yasco.はかつてあったのか無かったのか俄かに誰も覚えてない社会人ラップ選手権と
シンデレラMCバトルの出場者だ。
シンデレラMCバトルの出場者だ。
こつこつ上記他のMCバトルをこなし、顔を売り、
ライブを繰り返した末に、すごいラッパーとなっていたのを最近見た。
昨今のシーンを鑑みた場合、健全なラッパーの成長過程なんだろうなと思う。
フィメールラッパーのジャンルは未だ乏しい。
一方、ジャンルの細分化は男性のほうには既に如実に起こっており、
韻を踏んで、黒いことを言っていて、声が特徴的だったら売れる時代は終焉を迎えており
ラッパー自体のキャラクターがリリックにどこまで反映されているのか重要になっている。
男性のように、ストリート文化と文系文化(例えば、キングギドラとRHYHMESTER)が明確に発生当初から別れなかったためか
フィメールラッパーのキャラづくりに創出には苦労しており、
どうしても”アイドル”とかいう日本にしかない文化(悪い意味で)
どうしても”アイドル”とかいう日本にしかない文化(悪い意味で)
とラッパーをくっつけたがる(女性=アイドル)。
(ん?、そもそも文系ラッパーはストリートへの反発で生まれたんですかね?)
そこで今回Yasco.を取り上げる上で、見逃せない要素が”ギャル”だった。
それもAYA a.k.a.PANDAのような現役バリバリ(何歳か知らないけど)の浮世離れしたギャルではなく
地に足ついた本当の”ギャル”なんだと思う。
やっぱり、”ギャル”は刹那なんです。
男の中学二年生なんかよりも、もっと力強く、輝かしく
散りゆくときに儚いのが”ギャル”なんです。(ギャルっていいなぁ)
”ギャル”はもう無敵、マリオのスター状態。
スター状態に終わりが早いように、”ギャル”の旬も早いんですよね。
ニコルとかみちょぱとか可愛い前に、見てると日に日にギャルの強さを失いつつあって
切なくなります。。。(ギャルっていいなぁ)
気持ち悪すぎるブログになってきたので、
ここらで”ギャル”について語るのをやめますが
Yasco.はそんな意味での”ギャルを歌ってます。
もうバリバリ起業して、そこらのサラリーマンより生きていく力があるギャルなんて
”ギャル”じゃないです。
もう酸いも甘いも熟知した力強い彼女は無敵なわけありません。
ラップ自体は極端に言うと、ポエトリーに近く
メッセージがスッと入ってくる内容が至極整理されたラッパーです。
人となり、キャラクターがよく説明されたEPで
当人の思考や人生を理解できる公式参考書的なアルバムです。
Father and Daughter
ヨレヨレの服 溜まった吸殻 5年前からずっと遊んでるゲーム
パパが家から全然出なくなったのはいつからだろう
「お前の教育に金がかかるから」って、そんなこと言われちゃったらさ
何も言えなかった15の深夜 二人きりのリビングはただ静か
じゃあもっと好きにしてよ、頼んでない、自分の人生でしょ
大人だからって夢見れなかったらさ
そんな背中小せえっての
そんな背中小せえっての
でも定年して初めて聞いた
「俺も叩き上げで会社やってた、
俺はできたから、好きな仕事。だからお前も好きにしろ」
なんでパパは目が一重なんだよ なんでパパは背が低いんだよ
なんでパパはお酒弱いんだよ なんでパパはタバコ吸うんだよ
なんでパパは寝起き悪いんだよ
なんでパパは服のセンスがちょっと人とズレてるんだよ
でもそんなところが似たんだなって
なんでパパは頑固なんだよ なんでパパは口悪いんだよ
なんでパパは職場で部下の人たちにめっちゃ怖がられてんだよ
なんで金遣い荒いんだよ なんで外面はいいくせに
身内と自分に厳しいんだよ でもそんなところに似たんだなって
パターゴルフも、スケートも、流れるプールも、ゲーセンも、
吉野家、スタバも109も連れてってくれたのは全部パパでしょ
久しぶりに出かけようよ、伸びたTシャツのままでいいよ
実はスタバ嫌いでしょ?私も吸うからドトールにしようよ
男親の理想は子供から「パパみたいな人と結婚したい」って
言われることかもしれないけど、ごめんね死んでも思わないな
だって私パパと似すぎだもん、正直ちょっと悔しいけど
こんな口うるさくて強気なやつ 一家に2人もいらないでしょ
僕が男だからか、こういう曲はグッときちゃう(今はいない未来の娘を勝手に想像して)。
リリック自体が等身大で、飾らない内容は幅広いリスナーに理解されやすいと思う。
パターゴルフも、スケートも、流れるプールも、ゲーセンも、
吉野家、スタバも109も連れてってくれたのは全部パパでしょ
久しぶりに出かけようよ、伸びたTシャツのままでいいよ
実はスタバ嫌いでしょ?私も吸うからドトールにしようよ
おお、娘が煙草吸ってるよぉ
成長を感じると共に刹那さが押し寄せる。
時に男はそれすら受け止めなくちゃならないらしい。
父親すげぇ
大人になった
私も大人になった
昔はてんやがご馳走だった
習い事帰り お決まりのコースは パパと取り合うエビの天ぷら
こないだ久々に行ったら 具が超小さくてコメが見えててさ
あの時よりもうまい天丼に私はこの先出会えるだろうか
私も大人になった
初めて服を買った店が潰れた
あの頃渋谷で通った場所は 今や一つも残っちゃいないや
同級生が持つシャネルのカバン ギャルなんてもう死語なのかもな
109のロゴも変わるらしいけど今更黒髪には戻れない
私も大人になった 二年も経てば大台にのるな
楽しいのは思い出語り 朝がくるのが嫌になったり
私も大人になった 探してきたものはどこかにあった?
思い描いてた大人ってのは もっと大きいもののはずだったけどな
私も大人になった
元彼の結婚を知らせるタイムライン
同じ先輩を好きだったあいつも 遠い国でお母さんになってた
パンクだった友達、バンギャだった友達、薄化粧の方が綺麗なプロフ写真
変わらないねって言われる不安と 変わってやるもんかって気持ちと
私も大人になった ていうかまじで、大人ってなんだ?
想像してたよりお金はないな 胸も身長も育たなかった
私も大人になった 別にしてないよ後悔なんか
「無駄に年取って…」って言われるかな でも私は私でここにいるから
私も大人になった
追える夢だって少なくなった
小さい頃なりたかった スチュワーデスにはもうなれないもんな
でも好きなものは好きって言いたい 悪いけどまだミニスカ履きたい
ババアになってもクラブに行きたい 小さい夢があれば先が明るい
ただいまとおかえりがあったかい 冷凍食品だってありがたい
化粧のまま寝ると肌がやばい もう豊胸サプリに夢は抱かない
マクドナルド月1が限界 親孝行はまだできてない
別れが増えたから大事にしたい出会い 生きてるだけで今日も乾杯
私も大人になった ていうかまじで、大人ってなんだ?
私も大人になった 「無駄に年取って…」って言われるのかな
私も大人になった ていうかまじで、大人ってなんだ?
思ったより楽しくやってるな なんだかんだ笑ってここにいるから
大人になる分、夢が現実になり
理想と現実のギャップに苦しんでしまうのが人間。
そもそも論、現実は今の自分の積み重ねの分、曲論自業自得なのだけど。
私も大人になった
追える夢だって少なくなった
小さい頃なりたかった スチュワーデスにはもうなれないもんな
でも好きなものは好きって言いたい 悪いけどまだミニスカ履きたい
ババアになってもクラブに行きたい 小さい夢があれば先が明るい
若い人ほど元彼のことはあんまりおおっぴらに言わないけど
元彼のことを曲にするくらいだから、もう大人になったんだと思う。
元彼のことを曲にするくらいだから、もう大人になったんだと思う。
自分の老いを歌うギャルとか既にギャルじゃないのだけど、
このテレビでこの曲と同じことを今井華が言ってた。
すると、ゆきぽよが私は生粋のギャルなんで私はギャル辞めないですと反論してた。
今井華も自分のことを心底生粋のギャルだと思い込んでたから、
今の感情になるとすら思ってなかったとのこと。
今の感情になるとすら思ってなかったとのこと。
そんな一通りの感情を経験したYasco.のリリックは胸を打って仕方がない。
年相応っていうのは、側から見たら
まじで納得なんだけど。
意外と自分の身になると、ニューエラのキャップは被っていたいものだし
昔から憧れていたAPEのシャツは捨てれず、
休日くらいはスーツじゃなくて好きな服を着たいものなんだよなぁ。
居酒屋でも、バカな話ししたいし、日本語ラップの話だけでお酒を飲みたい。
休日くらいはスーツじゃなくて好きな服を着たいものなんだよなぁ。
居酒屋でも、バカな話ししたいし、日本語ラップの話だけでお酒を飲みたい。
でも、側から見たら
いい歳して、「だせぇ」ってなってるんだろうな。と思う。
なんなら、自分が子供のとき
30歳になったら
30歳になったら
「人生、終焉」じゃないかとすら思ってた。
30代のラッパーを見ると凄くおじさんに見えたし、ラッパーは全員普通20代だろと思い込んでた。
現実問題、大きな会社だと
30代でも若手と余裕で名乗るおじさんもいれば、若手と指す上席がいる。
いつまでたっても、『いい歳』だと思わないし、思いたくないのだろうと思う。
なるべく僕は、自分のことをおじさんだと認識しておきたいし、
その分、後がないと思って今は頑張らなくちゃと思う。
その分、後がないと思って今は頑張らなくちゃと思う。
Yasco.は、要はそんな事を歌ってくれてる。(無理な纏め方)
Yasco.のラップはそこら辺のポエトリーよりも分かりやすく、スマートなラップをしている。
聴き取りやすく、リリックの面白さを際立たせるラップだと思う。
3人家族というタイトルだけあって
父と母、幼少期のころを丁寧にラップしており、
ZORN(ZONE THE DARKNESSじゃなくて)なんかを彷彿させる。
語彙力がないので言うとエモい。
ZORN(ZONE THE DARKNESSじゃなくて)なんかを彷彿させる。
語彙力がないので言うとエモい。
Yasco.がアイドルかメンヘラかヤンキーしかないフィメールのジャンルを
大きく切り拓いてくれるんだと思う。
大きく切り拓いてくれるんだと思う。
爽健美茶よりも数倍いいラップだと思う。
新曲もすごくよかったので、これからもチェックしたい。
日本語ラップオタク