日本語ラップオタクブログ

日本語ラップをみんなで楽しもう!9/3 SoundcloudとYouTubeに管理人の新曲UPしました!

in-d アルバム

in-d/indoorについて(2019/5/20)

投稿日:

indoor

高野

まず本題に入る前に少しだけ自己紹介を。

この度友人である年越しプリン氏(当ブログDJネーム)からのお誘いでこの『日本語ラップオタクブログ』に寄稿させて頂くことになりました。普段Twitterなどは愛嬌筋の妖精テリー・マザーファッカー・虎なんていうふざけた名前でやってたりするんですがSNSではなくちゃんとした文章で作品を扱うということなのでここでは本名でやらして頂こうと思っております。

では本題に入らせて頂きます。

グループというのは大変だ。例えばトリオのお笑いコンビが全員目立とうとするときっとネタは崩壊する。サッカーで11人全員がシュートを入れようとしてもきっと勝てないだろう。グループには各々役割が分担されておりそれを各人が全うすることによってバランスが保たれている。

THE OTOGIBANASHIS (略 OTGS)というグループがいる。ラッパーのBIMin-dPalBedStockからなる3MCのグループでPSGSIMI LABなどが所属するHIP HOPレーベルSUMMITに所属している。先ほどの話と同じようにOTGSの三人にも役割が分担されている。

TOY BOX
THE OTOGIBANASHI’S
SUMMIT
2013-04-26

フロントマンであるBIM氏は楽曲制作の手綱を引いたり、ライブではMCなども氏を中心に行っていく実質グループのリーダー的存在だ。バックDJなども行うPalBedStock氏は普段マスクを被っていて未だに正体が誰にも分からずグループのマスコット的存在を担っている。一方今回の主役であるin-d氏はどこか一歩引いた目線でグループを俯瞰しているイメージがある。ライブでは前に立って目立つというよりは他のメンバーのサイドキック的立ち位置で的確にアシストしている様が印象に残っている。

そんなin-d氏が自身が所属するレーベルSUMMITから1st ソロEPindoor』をリリースした。
リード曲のMVが公開されてから3日後にリリースという実質サプライズリリースといった流れは配信オンリーならではのスピード感を感じた。

実は本作は氏のソロデビュー作というわけではない。氏は2017年に『d/o/s』という1stアルバムをリリースしている。ただこのアルバムは今回の『indoor』のようにSUMMITからリリースされたものでは無く、OTGSが中心となって出来たCreativeDrugStore (略 CDS)からの自主リリースだった。なので配信はされていない。自主リリースということもあってかプロデューサー陣はdooooBIMJUBEEVaVaそして自身とCDSのメンバーオンリーで固められている、客演に関しても外部から呼んでいるのはPSGGAPPER氏一人のみ。「俺のソロだ!」という主張よりも仲間と作ったという要素の方が濃く感じるアルバムだった。ただ正直今作と比べるとミックスなどは粗く、販売形態もライブ会場とdiskunionオンリーという玄人向けな作品だったのは確かだ。

それから2年後ようやく誰もが聞ける配信という形で氏のソロ作が発表されたのはソロラッパーとしての決意表明のようなものを感じた。

本作『indoor』はタイトル通りin-d氏の頭(ドア)の内側を少し覗けるような作品だった。

一曲目というか実質イントロ的扱いの『indoor』で氏はこう歌っている。

「今は一人 誰かいればなんて思うけど もういい」

本作に客演はない。氏が一人で世界を作り上げていく。最初にその断りを言ってEPは幕を開ける。

そしてリード曲でもある『On My Way』が流れる。プロデュースは同じクルーに所属しながらレーベルメイトでもあるVaVa氏だ。氏の新たな代表曲になると確信させられるナンバーだろう。フックのキャッチーさなどは新境地を感じる。

それからはPUNPEE氏の『MODERN TIMES』以降SUMMITの作品には欠かせない存在となったRascalのビートや今回がSUMMIT初参加のHoly Beatsのビートが続く。前作『d/o/s』に収録されていた『VIEW』を(マスタリングなどをし直した状態で)再録しEPはラストの曲に向かっていく。

EPを締めるラストトラックのタイトルは『帰路』。最近ラッパー、トラックメイカーとして唯一無二なスタイルを確立しつつあるJUBEE氏がプロデュースだ。

本作を通して氏は常にどこかを散歩・徘徊・彷徨っている。ただそこに何か意味があるわけでは無く氏にとって自分の足で街を見ることが日常なのである。埋立地やオフィスビル、タワーマンションを彼は見ながら変化している状況、過去に関係を持った女性のことや昔の思い出、友達や家族のことを考え答えを探しながら独りの時間を埋めている。ただその足どりは決して重くはない。何故なら氏には帰るべき場所があるからだ。時には氏の地元である藤沢かもしれないし、同クルーのBIM氏とheiyuu氏と共に暮らす自宅かもしれない。ある時は彼らのホームである恵比寿BATICAかもしれない。どちらにせよそこには氏の信頼する人間が必ずいる。それを思いながら氏は”帰路”に着くのだろう。

本作はそんな氏の散歩に付き合っているのかと錯覚させられる内容だった。

一つ本作に対して難点を言うのであればもう少し氏のパーソナルな部分が見たかったと言うのはあるだろう。全曲通して氏はちょっとカッコ良すぎるのだ。きっと三枚目な部分もあるだろうしお茶目な部分があるのだろう。そう言った部分というのも見て見たかった。ただこれはそのうちリリースされるであろうフルアルバムを待てということなのだろう。

高野 

-in-d, アルバム

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連記事

I-DeA/ Self Expressionについて(2019/7/30)

こんにちはZORNが昭和レコード脱退発表。もっと、三人で作品できたんじゃないでしょうか。。。。「昭和レコード/MAX」の1作品なんて、レーベルメイトじゃなくてもできるでしょうに。。MAX [CD]般若 …

田我流/作品集について(2019/1/19)

こんにちはやっと新年一発目のアルバムレビューの記事になるのですが、筆が中々進みません。理由は仕事ですかね。今が泥沼中の泥沼です。そんな泥沼(スランプ)を抜け、日本語ラップを代表するラッパーになった方を …

随喜と真田2.0

随喜と真田2.0/ FESTA E MERDA DI TOROについて(2018/10/24)

こんにちは最近、現物のCDを聴けないのが何とも悔しく、ライブもいけないので日本語ラップに触れられるタイミングが少ないのが切ない半面でItunesで過去のCD、最新曲を聴くことが増えました。やっぱりスト …

seeda

映画「花と雨」と「SCARS/THE ALBUM」について(2020/1/30)

こんにちは 皆さんは、ご覧になられましたか。 「花と雨」 感想を書きたい、もう書きたい! 観てない人は、こっから先読んじゃうと 「ネタバレだろ!!!」となっちゃう恐れが。。。。 ないです!!!!! ネ …

OKI from GEEK/ABOUTについて(2019/2/24)

こんにちはANARCHYが高い価格帯のアルバムを発売することで話題をかっさらいました。ZORNとAKLOは、アルバムを出さず、You Tubeを使ってシーンを盛り上げライブを繰り広げ、プロップスを獲得 …

プロフィール

日本語ラップオタク

365日、日本語ラップを聴き続けてるサラリーマンによる、愛と主観強めな想いがたくさん詰まったブログです。
日本語ラップにまつわるアルバム、ラッパーについて書き連ねています。

art by nezumizaru studio

2020年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930