随喜と真田2.0/ FESTA E MERDA DI TOROについて(2018/10/24)

こんにちは

最近、現物のCDを聴けないのが何とも悔しく、ライブもいけないので
日本語ラップに触れられるタイミングが少ないのが切ない半面で
Itunesで過去のCD、最新曲を聴くことが増えました。

やっぱりストリーミング便利!
新しい曲は貪るように聞けば良いし
CDを引っ張り出すのに困難な状況の場合、
過去の曲は容易に聞けるのがストリーミングの良いところです。


ふと思い出したアルバムをコメントしたいです。
随喜と真田2.0/ FESTA E MERDA DI TORO
FESTA E MERDA DI TORO
随喜と真田2.0
GORGONZOLGE
2007-09-22



随喜ことポチョムキン真田こと真田人のドエロ下ネタスキルフルラッパーコンビの作品です。
餓鬼レンジャーの休止時期、YOSHIとよく酷似したスタイルのラッパーとコンビを組むという
俄かに理解しがたいアルバムでした(YOSHIは本作にこっそり参加しています)が、
餓鬼レンジャーのオールド式日本語ラップスタイルとは異なった、当時の日本語ラップのスタイルに標準を合わせた作品に感じた気がします。




「WALK THIS WAY58」

このアルバムを語るうえで、すぐに話題に上がるのが
男子なら誰もが夢に描いた58人分のマイクリレーです。
FGユニットでマイクリレー曲「ウィークエンドシャッフル」をも凌駕する
18分、57人収録曲です。HIDADDYのみ前半と後半に2回でるという出しゃばり具合。
1人、8小節キックです。みんな目立つために必死!
タイトルの「WALK THIS WAY(ウォークディスウェイ)」をあらゆる言葉でみんなが踏みます。
たぶん、みんな一斉に録音してるでしょうから、韻が被ったら終わりです。
わずか8小節に各々の個性をぶち込むのに全力です。



個人的にめっちゃツボなのが3点あって

1点目はINDARAの録音環境が劣悪な為、一人だけ声が割れてるんですよね。笑
そのあと、すぐに環ROYがばっちりラップするだけにめちゃくちゃ目立ちました。(取り直して)

2点目はDARTHREIDERのバースは下ネタで終わるんですよね。
風俗嬢に「歯をたてるな!この店どうなってんだ!」と怒鳴る締めくくりなんですが
そのあとのKEN THE 390の爽やかなバースが始まります。「キッキンザバース!」とか言って爽やかな声が聞こえるんです。
汚いおじさんの後の、大学生みたいに生き生きした声が聞こえます。
このメリハリに集中して聴いてほしいです。


3点目は真田人の最後の締めくくりですね。
韻踏合組合の軽い同窓会後の真田人です。SATUSSYの後のバトンです。
前に進まずに成功はねぇ!それぞれの行先に栄光あれ!
58人のマイクリレーのスタイルウォーズをきれいに締めくくります。



メンツは下記の通り。(とはいえ、ウィークエンドシャッフルの方がメンツは豪華でしたね。。)

ポチョムキン
YOSHI(餓鬼レンジャー)
MR.O.K.I. (ULTRA NANIWTIC MC’S)
KEN-1-ROW(DOSMOCCOS)
DJ FUKU(ULTRA NANIWTIC MC’S)
HIDADDY(韻踏合組合)
TOMOGEN(DORBELMAN INC)
MONCHI(ABNORMAL BULUM@)
COYASS(KOUZUI/MIC BANDITS)
GATTSUKIMAN (T-CITY BOYS)
K-ONE (LARGE PROPHITS)
AGURI (LARGE PROPHITS)
TOKI (LARGE PROPHITS)
ARAKEN (SMC)
DOO (SMC)
万寿
DEJI
バケラッタ(トリカブト)
清水USK(WOLF PACK)
井上ヴォルフガング(WOLF PACK)
エムラスタ(ROMAN CREW)
村上水軍
アンジキジョイ(ABNORMAL BLUM@)
ラップマニアック
チャカパーン
DARTHREIDER
KEN THE 390
CUTE(大和民族)
INDARA(大和民族)
環ROY
TARO SOUL
ARK(走馬党)
SKIPP (走馬党)
Q (走馬党)
GHOST-P
JUGEMU (MMT)
NG HEAD
MIC大将(ZZ PRODUCTION)
NAM (タサツ)
ZIM BACK (INSIDE WORKERS)
W-MOUTH (INSIDE WORKERS)
SUPER-B (INSIDE WORKERS)
GASS(INSIDE WORKERS)
NAGANSERVER (ABNORMAL BLUM@)
MEKOLI (げんこつ)
k@zzzy (げんこつ)
ボジョ (げんこつ)
GOUKI(CAMEL BACK)
TARO(4wd RECORDS)
HIDENKA(GARBLE POOR!)
KM-MARKIT(UBG)
AMIDA
HIDADDY(韻踏合組合)
ERONE(韻踏合組合)
遊戯 (韻踏合組合)
SATUSSY(韻踏合組合)
真田人




「こんな人間になりたいfeat 丑三時宗」

雨にも負けず、風にも負けず
自分に正直にライムをかける
ステージを降りたら決して目立たず

一日の終わりをありがとうで締めて
あらゆることに首を突っ込まず
よく見聞き分かり、周りの空気を読む
街のざわめくネオンの影の小さな地下のクラブにいて

東に友の結婚式があれば、行って寿と祝ってやり
西に病気の母あれば、行って背中をさすってやり
南に祭りの灯あれば、酒を持参し一緒に騒ぎ
北にワックなMCいれば、つまらないからやめろと言い
一緒を通して付き合えるペットと友と遊びを持ち
家族を大切にする真面目さを持ち
金が生き甲斐な金勘定が得意、そんな人間に私はなりたい。


宮沢賢治の雨ニモマケズの盛大なサンプリングです。
客演の2バース目はよりむちゃくちゃです。
ポチョムキンのバースが何よりお気に入りでした。
こんなにユーモアが溢れて、笑えるラップはポチョムキならではですね。


「北にワックなMCいれば、つまらないからやめろと言い」

killするとか、そんな不用意なことは良いません。





「家族ゲーム」
神様のギフトはマジビック、マジびっくりするほど
混じりっけなし
この世に二つとない、うちだけのone love
神様のギフトはマジビック、街に響き、笑いが幸導く
この世に二つとないone love


覚えただけじゃローンは払えません
自分だけが良くて、家族が無下
いい歳こいて、それは笑えません
世の父さんたちには敵いません

子供ができたら残せるか財産
賢く育てば万々歳さ
清く正しく生きろmy son
まぁ精一杯なことしてやろうな母さん

成人させるまでに幾らかかるの
こういう時親父の偉大さ分かるよ
よっしゃオープンな家庭にしよ
友だち呼んで、居間で遊びなさい

共に育ち、遊ぶ感覚が良い
家外の出来事は管轄外
heyママやっぱ子は鎹
でもやるときはかますぞ、返すちゃぶ台

きっとパパよりママのが重要
その分、愛されるのもママの方
ままごと真剣、家族ゲーム
きっと思うより過酷です でも

大いなる喜びも二倍 これ
非売品神様のギフト これ
教育にパンチラインは必要ない
ただ愛情を捧げれば良い、it’s alright


いつものふざけたバースのポチョムキンがいません。
ZORNよりも早く、「パパラップ」をきれいに、数倍クオリティ高くラップしています。
厳しい日本語ラップのルールを守った上で、この精度の高いラップのメッセージ性です。
しかもリリックのみならず、本当にラップが上手い。
くどくならないように軽快にラップします。

(これは邪推ですが、家族のためにラップを休止し働いていたYOSHIに向けての
応援ソングだったんじゃないんでしょうか。というか、このころはYOSHIは休止であってるのか笑)

いずれにせよ、FGのSONOMIがhookもラップもかましており
凄く、バランスの良い曲になっています。
めっちゃいい曲です。本当に名作ですし、この曲だけでこのアルバムには100点上げれます。

「教育にパンチラインは必要ない
ただ愛情を捧げれば良い、it’s alright」





と言いつつ、このアルバムは上記三曲以外にも、全曲聴きどころばかりです。

上記三曲以外に紹介すべき曲は
ライムボカン feat ICE BAHN
客演見ただけで、何が起こってるかわかる曲です。
負けじとポチョムキン真田人が踏みまくり、爆破しまくりの曲です。

ぼじゃい警察 feat TSUBOI
かと思えば、次の曲でもTSUBOIとも馬鹿みたいに踏みまくります。

未確認非行豚
さらに、真田人だけでも踏みまくります。真田人ファンは見逃してはいけない曲です。
YOSHI真田人の違いは韻の踏み方だと思います。
YOSHIは前記事で説明したように真骨頂は単語を分解して、色んな方法で踏み続けるのが得意です。
一方は真田人の得意な踏み方はは子音だったり、語感が似ているような単語でくっそタイトに踏みます。

YES SESSION
太華のビートボックスの上で自己紹介ぽいラップをします。
ビートボックスの上でラップするので自然なBPMでラップするので
自然とラップのテンポが速くなり、荒づくりというか即興性が高いB-BOYが好む作品の雰囲気となっています。



要は全曲最高です。
「日本語ラップ」好きなら、このアルバムを手に取って、額縁に入れて、家に飾るべきです。

この後、ポチョムキン餓鬼レンジャー再結成だけでなくLIBROとも作品を作ります。
S.L.A.C.K同様、ラップがすごく上手いかつ作品が常に生まれ続けるラップお化けです。


日本語ラップオタク

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