藤井健太郎/悪意とこだわりの演出術について(2019/8/15)
こんにちは

最近、みんなが大好きな企画が復活しました。
「十影REMIXプロジェクト ”地獄の月曜日”」です。
憂鬱な月曜日を明るくするため、名曲や流行曲を十影流に 毎週remixしていきます。
当の本人は、毎週決められた時間までに曲を決め、リリックを書き
ラップを完成させ、mix完成させる。。。。本当に文字通りの”地獄”です。
ちなみに名曲はラッパ我リヤの地獄の替え歌。
ちなみに名曲はラッパ我リヤの地獄の替え歌。
十影は、リスナーを楽しませるためのエンターテイメント性を兼ね備えた真のラッパーですね。
私も毎週毎週、本当に楽しみにしてます。
では、今回はそんな”エンターテイメント”をテーマにCDではなく本をレビューさせて頂きたく
「藤井健太郎/悪意とこだわりの演出術」
ラッパーじゃねぇ!!という突っ込みは重々承知なのですが
HIP HOP好きのテレビプロデューサーが書いた本のレビューということでご容赦ください。笑
藤井健太郎はHIP HOP好きな方、お笑い好きな方は全員ご存知でしょう。
当初の私は、番組を見る限り、このプロデューサーは意地悪で常識はずれ、
倫理観の欠けたプロデューサーなんだろうなという第一印象(妄想)です。
倫理観の欠けたプロデューサーなんだろうなという第一印象(妄想)です。
しかも、学生時代もいじめっこの大将で、イケイケのサークルに所属している(と勝手に思っていました。)。
弱い人の気持ちを理解できない人なんだろう(と勝手に思っていました。)。
でも、私は関西人ですから、お笑いが大好きですし
それでいて、HIP HOPが好きでしたら、尖りに尖ったお笑いの水曜日のダウンタウン(HIP HOPのサンプリングが多用)を見ない理由がありません。
最近では、クロちゃんシリーズもとより、「新元号を当てるまで脱出できない生活」の感動が新しいです。
あれを見た加地倫三(アメトークのプロデューサー)が佐久間宣行(ゴットタンのプロデューサー)に電話し
「もう、仕事したくない(位、おもしろいものを見てしまった)」と言ったそうです。
お笑い芸人が出たい番組上位に上がる番組のプロデューサーが舌を巻いたほどです。
「新元号を当てるまで脱出できない生活」の凄いところは、プロデューサー目線で言うと
例え面白いと会議の中で出てきても
実行に移し、公共の電波に流せるまでの実行力だそうです。(佐久間宣行のオールナイトニッポンより)
ここまでくると、藤井健太郎は相当求心力のある方でリーダー気質な、イケイケな方なんだろうと思います。
佐久間宣行のオールナイトニッポンを聞いてる限り、
佐久間宣行が根っからの陽キャラなのは容易に理解できます。(悪い方ではない笑)
一方で加地倫三が根暗だったのが意外でした。
私の勝手な思い込みでしたがテレビの世界なので、みんな派手な方だと思っていましたし
ロンハーなど意地悪な企画が多い中、
ああいった発想が根暗から来るものだとモノだと思うと急に親近感が湧き始めました。
ああいった発想が根暗から来るものだとモノだと思うと急に親近感が湧き始めました。
加地倫三の下積み時代の話や、佐久間宣行がニッポン放送に入試試験に落ちなど
人間味もとい一般人味がするエピソードがやけに僕の琴線にひっひかりました。
人の経験や出来事に共感できると一気に興味もわきます。
そこで、藤井健太郎のことも気になりだし始めました。
佐久間、加地の2人がことあることに藤井健太郎の話題をし、
藤井健太郎はもとよりHIP HOP好きということもあり
藤井健太郎はもとよりHIP HOP好きということもあり
digする価値があるのではと思い本書の購入に至りました。
読み始めの印象は、なんて、内容に欠ける
面白みのない話なんだと思いました。
若くして、スーパー番組のプロデューサーでありながら
ADのような仕事から編集まで全て一人でこなすとのこと。
そもそも、藤井健太郎はどんなものでも80点付近は出せる器用派(天才肌)。
学生時代も、通知表はオール5とのこと。
そういえば、Twitterで藤井健太郎がDJしてる姿を見たことがあります。
「あ、やっぱり、こいつ嫌いだなぁ」
と思い、2日で本を読むのを辞めました。笑
でも、佐久間宣行のオールナイトニッポンのラジオを聞くたびに気持ちを奮い立たせ
なんとか読むことに
番組ごとの作成秘話は、「まぁ面白い」程度。
どこか倫理観の欠けた発想があるも、
あくまで面白い物を作ろうとした結果。
あくまで面白い物を作ろうとした結果。
批判を浴びるものになることもしばしばとのこと。
「酷評だな」
と僕の心の中のアマゾンレビューが筆をとりそうになった瞬間
と僕の心の中のアマゾンレビューが筆をとりそうになった瞬間
「テレビマンの青春」という章に入りました。
藤井健太郎の学生時代から入社したてまでの半生(とは言いすぎ、約1/4の人生)を振り返ったものです。
これが何とも僕の心を打ってしまい、藤井健太郎のことが好きになってしまいました。
(一番最後に収録されている有吉弘行との対談でも、より好きになってしまいました。)
藤井健太郎の学生時代は、学力(器用さ)以外は私も共感できる点が多かったです。
クラスのイケイケの友だちも大人しい友だちも、どっちに寄ることもなく
まんべんなく友だちがいたそうで。
大学時代はサークルに入らず、テレビ、日本語ラップ、プロレスにハマり
学生時代を過ごしたそうです。
なんというか、イケてることもなく、ダメダメでもなく。。。
なんというか、イケてることもなく、ダメダメでもなく。。。
うーん、、、なんか、僕もそうだった気がするなぁ。
いや待てよ。
学力だけ、ひっかかりますし、
身なりも奇抜だし、やっぱイケイケだったんじゃぁ。。。
って読み進めると「鬼だまり」にも行くほど日本語ラップが好きな様子です。
日本語ラップが好きなやつに、イケイケなやついませんね。
似たところを感じます。笑
そんなオタク気質が仕事に昇華されたのが、今(TBSプロデューサー)なんだと言っています。
藤井健太郎もテレビ局志望だった割に、TBSには一度落ち
TBSの関係会社に入社したそう。
親近感がわきます。
そして、ADの中では一番プロデューサーになるタイミングが遅かったそうです。
もっと親近感がわきます。
ただ、3件しか番組にならないTBSの若手(5年目以下)企画プレゼン大会で
唯一1年目でその狭き門を通過したりとやっぱり非凡さも発揮しています。
そんな藤井健太郎は言います。
「サラリーマンこそフルスイングするべき」
自分はフリーでプロデューサーをやれる自信はないとのこと。
サラリーマンという保身があるから、やりたいことやっているんだと。
例えどんな失敗しても、最悪会社に尻を拭いてもらえるサラリーマンに頼っていて、
仮に、めちゃくちゃ視聴率が悪かったり、考えられない量のクレームが
仮に、めちゃくちゃ視聴率が悪かったり、考えられない量のクレームが
フリーのプロデューサーに降りかかった時にはもうおしまいです。
あの尖ったスタイルの背中にはTBSというでっかい看板があるからこそだと
本人は謙虚なのか、本音なのか語っています。
「本当のクリエイターという人種は、失敗したら即、死活問題になるようなリスクを抱えつつ、
自分の表現したいこと、やりたいことを実現している人たちのことです。」
本の終盤、有吉さんとの対談で
質問「最近はテレビが元気ないと言われますが、二人は明るい展望をもっていますか?」
藤井「当然そんなに明るくはなさそうですけど、(中略)僕自身が生活するため、生きていくためにどうするかだけですから。テレビの未来とかまでは、正直、あんまり考えていなくて。とりあえずの自分の食い扶持と、楽しくやれることがればいいなと思っています。」
藤井「ハードなオンエアを出したら、毎回「もうこれで最後にしたい」「次はもう嫌だ」という気持ちになります。そんなとき、心の支えは、いつでも勝負から降りられる。このサラリーマンという環境です。その逃げ道があるからなんとか頑張れます。」
この意見に同意見の有吉さん。
正直、テレビ・お笑いの未来とかにも興味がないと。
力を抜いて、等身大で見据えた自分の理想像にどん欲に進み続ける姿に
魅力を感じる気がします。というか私は感じました。
今まで、熱意をもって革命を起こすんや!!って言ってた人ばかり見てた気がします。
ところが藤井健太郎は万が一異動で、経理とかよりバックオフィスになれば
すぐに手を引いて、バックオフィスの仕事に専念したいと言っています。
そこまで未練はないとのことです。
未練がないためにも一回一回の放送を細部まで丁寧に自分一人で編集するだと思います。
そういう生き方が一番かっこいい気がしてきました。
「サラリーマンこそフルスイングすべき」
一番傾奇として生きていける最もずる賢いスタイルな気がしました。
僕もサラリーマンという社会的生活が保障された看板を盾に
フルスイングしなきゃ。(そんな冴えないサラリーマンに送る自己啓発本ですね)
でもやっぱり、非凡な才能をもった藤井健太郎だからこそ言えることなのかも。
とまた思ったり。笑
日本語ラップオタクブログ