田我流/作品集について(2019/1/19)
こんにちは
やっと新年一発目のアルバムレビューの記事になるのですが、筆が中々進みません。
理由は仕事ですかね。今が泥沼中の泥沼です。
そんな泥沼(スランプ)を抜け、
日本語ラップを代表するラッパーになった方を紹介したく思います。
『田我流/作品集』
これは1stで、みんなが大好きな『田我流/B級映画のように2』は2ndになります。
『田我流/B級映画のように2』で自身の1stアルバムのことをスランプと語ってます。
いや1stも正直めっちゃ良いアルバムなんですよね。
なんなら2ndから聴いて、遡って聴いた人も少なく無いと思います。
それでも内容としては満足しますし、むしろ2ndよりも比較的重くなく、
聞き易いと個人的には思ってます。
(むしろ2ndはブチギレて、怒りまくってます)
聞き易いと個人的には思ってます。
(むしろ2ndはブチギレて、怒りまくってます)
田我流はstillichimiyaのクルー、リーダー格です。
メンバーは田我流、MMM、Mr.麿、Big Ben、Young-Gの5人です。
メンバーは田我流、MMM、Mr.麿、Big Ben、Young-Gの5人です。
ただ、元々はPONY も所属しており、途中脱退しています。
“2009年、stillichimiyaがMary Joy Recordings(レーベル)に所属することになりました。その時、俺は東京にいたし、レーベル所属のタイミングで彼らのもともとのルーツである、一宮出身の幼馴染ソウルや音楽性というのをはっきりさせようとしていたこともあって、その時点から俺はstillichimiyaではなくなりました。“
この当時のPONYは飛ぶ鳥を落とす勢いのラッパーで、
MCバトルでは『stillichimiya!!』と各バトルごとに何度も連呼していました。
なんせ、MCバトルではフロー全盛期の2009年。
鎮座DOPENESSとPONYが日本語ラップシーンを牽引していました。
般若の次のチャンピオンがまさかの鎮座DOPENESSですから驚きでした。
(話が脱線すると、ここからガラッとMCバトルでは多様性を魅せます。)
MCバトルでは『stillichimiya!!』と各バトルごとに何度も連呼していました。
なんせ、MCバトルではフロー全盛期の2009年。
鎮座DOPENESSとPONYが日本語ラップシーンを牽引していました。
般若の次のチャンピオンがまさかの鎮座DOPENESSですから驚きでした。
(話が脱線すると、ここからガラッとMCバトルでは多様性を魅せます。)
そんな鎮座DOPENESSをあと一歩まで追い詰めたのがstillichimiyaのPONYです。
よってエース格のPONYを失ったstillichimiyaはおっさんだけのパッとしない集団となっちゃいました。
(PONYと田我流とのMCバトルも確かありましたが、確か田我流は地味でした。)
そんな二番手だった泥臭い田我流が、今や日本語ラップの一番手。
USを変に追わない、ザ日本語ラップを体現した男です。
田我流を一番手にさせたのが「ゆれる」です。
USを変に追わない、ザ日本語ラップを体現した男です。
田我流を一番手にさせたのが「ゆれる」です。
田我流のラップの質が変わった訳ではありませんが、
EVISBEATSとの相性が良かったみたいです。
EVISBEATSとの相性が良かったみたいです。
では、戻って本作について。
テーマとしては、ほとんどが
「うだつの上がらない生活とローカルに根付いたラッパーによる成り上がり」
です。
なんともリリックが心に染みます。
じわぁっと。。。。切なく、焦燥とは呼べない感情に襲われます。
「BACK IN DA DAY」
98 小遣いじゃ足りない
クラブにレコード、マイク
欲しさに朝一からB-BOYじゃなくてペーパーボーイ
まだカセットテープウォークマンあの時代
のりのりでチャリ漕ぎ、小遣い稼ぎ
擦り切れたディッキーズ、格好はつけれない
Beats刻み、校門で先公に蹴りくらわされて
ど派手にフォールダウン
あの日は忘れねぇ噂でラップしてる
聴いた先輩の番号
ゲトった速攻ぶち込むラップを
数日後手に入れたショーケース
うれしくて呼びまくったダチ
好きだったあの子も だからもうマジ
高まる鼓動 緊張でがちがち
今更ひけねぇ いくぜはーこー
ライトの下、すべてを出せ
ダチが読んでる声が聞こえる
走り抜ける快感 暖かい一体感 これ以上の瞬間はない
ライブを終えてあの子の元へ
どこにもいねぇ 「あ?、あの子ならダンサーとどっかへ」
whatfuck今じゃ笑える。
Back in da day Back in da day
Back in da day Back in da day
さんぴん世代 何言ってるかわからないが
必死に覚えたTWIGY
音とともに過ぎていく日々
真っ赤な太陽 突き抜けた風
渋谷VUENOS ソースクのリリパ
朧にMACCHO ZEEBRA上がった
ライブ前のE.G.G MAN 聴かすために
取ってきたブランユーデモテイプ
聴いてくれ、頼むこの二人
もっと別の韻もっと踏めばいい
嬉しすぎてはしゃぎまくって
手がのび、MACCHO挙げてくれたステージ
輝き続ける青い一ページ 全て常に俺が
Back in da day Back in da day
Back in da day Back in da day
要は田我流の自叙伝です。
高校生の時の出来事が1バース、初ライブです。
怖さを知らない若さ溢れる様子が描かれています。
2バース目は何とも先輩後輩の関係がわかる文脈です。
たんなるヘッズだった田我流がラッパーになる契機だったのでしょう。
ところで、田我流のラップは区切るところに変な癖があって
フローがリリックと一致していません。笑
『JUST』
お前らにとったら小さなことだな
でも俺にとったらこれがすべてさ
続けてればいつかなんて思ったけど
奇跡なんておこりゃしない
なぜなら自分で引き寄せ
つかむ物だって今更さ
気づいたどうせなら頭からケツまで
しょうがねえよそうさ俺は俺さ
打たれてみれば土砂降りの雨
地固まって俺の歌へ
手伸ばせばそこにデカい空
雨上がればかがやく町がほら
大丈夫さきっと迷わず行け
俺のことを待ってる奴らがいる
道は自分で切り開くもの
だったら今がその時なんだbaby
I just 覚めない夢をみて
I jsut 流れる音に乗って
I just 楽しみたいだけ 感じるままに謡だけ
I jsut 季節を感じて
I just これまでもこれからも
I just 時の流れに乗って 言葉で日々を満たして明日へ
まったくもってチンケな人生
何が起こるかなんてマジで分かんねえ
あん時あいつに会わなかったら
そんなことばっかで今の俺がいる
オヤジおふくろダチに感謝
ありがとう。おかげで今日も笑える
苦しみ楽しみは表裏一体
明日は死なないけど今日を生きたい
夢追いたくても終えない奴はごまんと
いること知ったfoot we get got it
I push eyes in the sky
生き方違えど涙で理解
flow like a bawda across the boder
think like a budda 今もこうさ
どっからきて どこへ行くか ただルーツ張って next 拝む
I just 覚めない夢をみて
I jsut 流れる音に乗って
I just 楽しみたいだけ 感じるままに謡だけ
I jsut 季節を感じて
I just これまでもこれからも
I just 時の流れに乗って 言葉で日々を満たして明日へ
なんだかの夢のよう窓の外
風に緑ゆれる模様
分け合う人生は一皿の料理
しみるな、みんなで食うと異常に
unforgettable どれもこれも音楽がくれた特別な感情
flow, rhyme それでrappin’
この16はお前に
始まりは終わり 終わりははじまり
なんかうまいもんでも食いにいこう
自然と優しい気持ちに慣れる今日
探したものはきっとこんな
苦労やべえこんなコンプレックスも
カネ恐れ明日の不満も届かない場所わすれられる場所
ありのままでいていい場所
I just 覚めない夢をみて
I jsut 流れる音に乗って
I just 楽しみたいだけ 感じるままに謡だけ
I jsut 季節を感じて
I just これまでもこれからも
I just 時の流れに乗って 言葉で日々を満たして明日へ
日本ラップによくある「ヒップホップ」を求める男の心情です。
夢を追うことには、かっこよく、信念を貫くことができますがリスクが伴います。
そんな葛藤を片意地張らず、あるがまま受け入れた歌です。
単にチルじゃないんですが、トラックと田我流の声があいまって
切なく、寂しくなります。
「墓場のDigger feat. BigBen」
レコ屋の無い田舎者のDiggerは
自然とやさくれ向かうあるべき場所
Dig作業 考古学発掘作業 普通じゃ満足できない者の荒行
リサイクルショップa.k.aレコードの墓場
時代に見捨てられた音が辿り着く最後の砦
Yo,Diggerman 荒らしちまいなよ Crates
今日も掘るぜ カビ臭ぇガレージの一角
変わりばえしねぇ増す不安飲み込む
端から手つける 埃吸い込む 大半の奴はそこで諦める
ジャンク 増えてく同じレコード 掘る場所山梨ここしかねぇ
またこのアルバム ホント嫌になる
仕方ねぇ自分に追い込みかける
郷ひろみ,etc…歌謡アイドル3~4枚連続はさた 狂気の沙汰
積み上げては引き落とす クレーン処刑人 田我流 Ghettoな店内
荒廃したCrates 積み上げられたレコードはバベル
精神病者がつけたような盤面のスクラッチに畳み掛けるパパラッチ
どんな小さなCREDITも見逃しはしねー Yo BIGBEN “You dig me”??
抜かりはねぇ 隈なく探すぜ 裏のクレジットまで隅々チェック
詰まれた山々崩してく 俺ら汚ぇ墓場に集うゾンビさ
田とベンの血眼Dig 県内のリサイクルショップ喰い潰す
7″ 12″ LP SP
特殊工作 JUNK SP
YEAH YEAH
相場は7″ が50~150 LPサイズは大概300
とりあえず無理でも値切れ 嘘八百並べて引くぜ一線
もろ胡散臭ぇ切れ者の店員
目を盗んで視聴する強引 Nigga dont know how to act “Innercity”
それよりBIGBEN このレコードどう??
あぁ、それよく見るねその盤 ジャケに騙されて昔買った
散々クソ掴んでは覚えたジャンクマスター
今じゃ匂いでわかるさ 百円二百円吟味せず買って
部屋の片隅に増えたレコード はずしはしねぇ掴む名盤
あれ、そのジャケかなりヤバくねぇ
「まぁ、焦んな」楽しみはこっからだ 用は済んだ
とっととこの墓場からさらば まだまだだ 掘り足りねー
次はどこだ ど、どこだ???
ピーOFF ピー書店 ピー倉庫
片っ端から潰そう 山梨ジャンクDig
報告はLaid Back! T氏に自慢して家に帰ろう
街から街流れ荒らしていく discovery channelよりdiscovery
カビ臭ぇ店内に眠る一枚求めひたすらしゃぶりつくゾンビ
ダメもとなんぼ 音の巡礼
遊び半分ならやめとけよBoy
葬られたレコードを助け出す
墓場の中から声が聞こえる
この歌は今でもライブでも歌ってますね。
山梨でレコ屋を経営するBigBenの歌ですね。
レコードのDigを面白く歌っています。
PVもかなりチープ(最高)。
Disc Unionの店内にいる際は必ず聴いてたいですね。
前述とおり、このアルバムは2ndから聞き直しても
全く問題ない作品です。
上記の曲以外に、田我流とカイザーソゼでリバイバルした
「坂」
最高です。
完全に余談ですが
一方でPONYは、田我流ほどの代表・名曲はありません。
一気に逆転してしまった対照的な元チームメイトになっており、、、、、
正直、感慨深いです、、なんとも言えないですね。。。
正直、感慨深いです、、なんとも言えないですね。。。
日本ラップオタクブログ