「RHYMESTER/マニフェスト」について(2022/2/25)

実家が3度目の引っ越しということで、ついにぼくの資産であるCDをすべてぼく宛に送付したいということで送られてきました。

今のぼくの東京の家には、資産の一部(CD)があって、それですらラックがパンク状態、、、
送ってこられたCDの分、仕事用の書籍を投げ捨て、CDをぶちこみました。


とはいえ、全てのCDに対して、「懐かしい」の一言。
その中でも一際目立つジャケット「マニフェスト」です。(なぜか初回限定の割高のものを買っているので、おそらく一度しか見ていないDVDが付いていました。)

この作品は、衝撃的にダサいジャケットを除けば、2010年代の日本語ラップを象徴するような作品で、
RHYMESTER、BACH LOGIC、EVISBEATS、MAKI THE MAGIC、Mr. BEATS、DJ 大自然といったラインナップ。これは混じり気もなく最強な(当時の)日本語ラップでした。
BACH LOGICのトラックの上で、RHYMESTERがラップしたという事実も当時はやはり衝撃でした。

ぼくとRHYMESTERの関係は、正直を言えば、「RHYMESTER/マニフェスト」からがリアルタイムでして、大学1年生のときに、なんばハッチに観に行った記憶です。(のちに、つい最近、渋谷のスタジオノアで3人に出会ったのは大切な思い出。)


休止の間に、KREVA、KICK THE CAN CREW, RIP SLYMEを経由し、FG Crewのアンセム「ウィークエンドシャッフル」を聴き、

伝説の東京武道館メイドインジャパンの副音声を暗唱できるほどに繰り返し観ていたのがぼくとRHYMESTERとの関係です。

遡求するように、「グレイゾーン」「リスペクト」「ウワサの真相」を買っていきました。(「Egotopia」「俺に言わせりゃ」ごめん)

そんな、日本語ラップの歴史そのものとも言える、文系日本語ラップの頂点”だった”RHYMESTERが
復帰した作品で、2010年代の日本語ラップのど真ん中もど真ん中、びたびたに先頭を走るラップだったのが
驚きでした。

KING OF STAGEで、一旦幕を閉じ、マボロシ、TBSラジオウィークエンドシャッフルの修行期間を経て
intro一曲目の「午前零時 -Intro」から盛大の前奏を感じて、”もう一度”「ONCE AGAIN」で再始動。
日本語ラップの礎でありながらも、現在進行形でラップしている点、最高です。
シマウマも、見習うべき。(なお、remixは、フードを深くかぶった土砂降りの野音を思い出すZEEBRAと、TWIGYと DABOというエモエモのエモ)

マニフェスト以降、タイトなmummy-dを期待する一方で、国民の7割の人が、宇多丸のラップの妙味を再認識したと思います。
mummy-dとは違う、宇多丸の韻とフレーズのタイトさが年を老いた我々の耳にちょうど際立って聞こえました。

そんなRHYMESTERっていうのは、細かい芸が詰まりに詰まった、2022年の今でも珍しい日本語ラップグループになっています。

渋谷漂流記

Tokyo, Shibuya
ただ漂う 漂う ただ漂う 漂う
ただ漂う 街に漂う 人に酔う 音に酔う Flowに酔う
雑誌の中に輝く街 なけなしのキャッシュ ケツに忍ばし 足伸ばし
ナメられぬように背伸ばした 切り抜きのマップに目凝らし

そして未来に胸焦がした
Early 80’s 新しい文化の一部な気分がした 自分が
工藤ちゃん気取り 公園通り グラサンかけて闊歩した少年のストーリー

記憶の中の眩しい街 路地裏の輸入盤店のモニタースピーカー
胸騒ぎして手伸ばした 非合法なグルーヴのスレイヴと化した

AからBからC
初めてのディスコ 初めてのダンス 初めてのキスと初めてのファック
スペイン坂下で初めてのラップ ガキにはこの街のすべてがトラップ

Tokyo, Shibuya
ただ漂う 漂う ただ漂う 漂う
ただ漂う 街に漂う 人に酔う 音に酔う Flowに酔う

時は流れ 90年代 ゴツいティンバー 履いた愚連隊
踏みしめたのは宇田川オフロード 堅いライムとステレオタイプなド素人

YES YES Y’all, and You don’t stop
てな調子 この街が教室 ヘッドフォンのKRSが教師
浮かれた世間に燃やす闘志 あと少し 重ねた結果ぶっ通し
で、To da breakadawn

クラブからクラブへナイトクルージング
はためかすオーバーサイズのブルージーンズ
マイク握りぶちかましたルーティン この街が育てたワイルドミュージック

そこらのギャルもフツーに
口ずさみ出したオレたちのラップ デカめなビルボードと目立つトラック
超アウェイがついにホームと化した あのツレない街を振り向かして

Tokyo, Shibuya
ただ漂う 漂う ただ漂う 漂う
ただ漂う 街に漂う 人に酔う 音に酔う Flowに酔う

時は流れ 流れて現在 見かけなくなったあの愚連隊
オレはひとりタイトなジーンズに身包んで歩く タイトな韻探して腕組んで

いまだ猫背で
道うろつくと すげーウゼってぇ 落ち着く場はねぇって前提
あの日のオレみてぇな童貞たちが繰り返してる以前の光景

オレを育てた街 掻き立てる街 弄ぶ街 誑かす街
まるで 切るに切れない毒婦のよう あの日のままのHip Hopのよう

なんかよそいきの顔になってく おカミの言う通りビルが建ってく
記憶の中の景色も去ってく なのにまたオレは今日も立ってる
ここTokyo, Shibuya

Tokyo, Shibuya
ただ漂う 漂う ただ漂う 漂う
ただ漂う 街に漂う 人に酔う 音に酔う Flowに酔う

RHYMESTERの細かい技術でいえば、マイクパス回しであって、ラップの掛け合いから生まれるグルーブです。2022年でもこのラップを聞けるのは、RHYMESTERくらいということで、、それはすごいことです。笑

シンプルに掛け合いのラップを作るのは、普通のバースを書くのに、3倍〜4倍ほど労力を要するもので、相方のバースが、まず間違い無いという信頼関係がないと成り立たないものです。(一人で、16小節書くのも一苦労なのに、相方が1〜4小節書くのを待って、自分が1〜4小節を書くのは、大変です。相方が書き直したいとか言い出したときとか、禿げそうになります。)

名盤「グレイゾーン」のBIG MOUTHからのRHYMESTERの3人が織りなす奥義を感じれたので、超大好きな曲です。

時は流れ 流れて現在 見かけなくなったあの愚連隊
オレはひとりタイトなジーンズに身包んで歩く タイトな韻探して腕組んで



「付和Ride On」

ダンツカダンダンダン 腰にクるだろこのワンマンバンド
One DJとTwo MC’s 御存知伝説の舌銃士
今宵は酸欠のアンダーグラウンド 明日は灼熱のオーバーグラウンド
地下でもヨシ 野外でもヨシ 何処でも愛を感じたいんだ You understand?
Uh! わかんだろ? だってみんなもう子供じゃないんだろ?
今この場で何が必要か 主義、主張や批評が必要か?
Naa naa… それは日本人なら誰もが持つべき自尊心
世界に誇る我らが協調性 堂々と発揮して行こうぜ
つまり 長いモンには巻かれな ヤバいリズムにキツく抱かれな
サンバ、サルサ、ボッサにマカレナ 踊れないのは誰だ?
You? You? You? Don’t hesitate グルーヴの下貫け低姿勢
そして ありったけの優しさと愛を今このステージへ……
Somebody say 

和を似て貴しと為す
Ride on Ride on フワフワっと付和Ride On

ったく「欧米か!」っての 大仰なプライド
NOと言えんくらいに至ってマイルド
日本の心を優しくガイド 手ェつないでLet’sフワッとRide On
基本はとにかく曖昧な回答 場合によって毎度変わる態度
結果見えるまでボカす旗色 常に確保しとくべきは退路
イエー、「今日耳日曜」 卑怯って言うな 作戦だ一応
アイツとアイツがいい証拠 YES, ATODASHI is 必勝法
テキトー いやフレキシボー と呼ぶべきっしょ まさに歴史上
残すべき思想 乗ってく人 開けテキスト 叫ベエイッソ・アイ〜!
極意は常に半身 様子見日和見ユノワラミ〜ン?
要はどうとも取れるスタンス 同じアホならもろともLet’sダンス!

FG得意のアッパーチューン、お祭りソングです。

陰湿なジメジメした日本語ラップには、ここまでストレートなお祭りソンズは少ない気がするので、、、、


また、本曲は、自分に意見・主義主張がないのに、周囲の意見に流される日本人に対する啓発ソングでもあります。とくに宇多丸節が最高すぎます。

基本はとにかく曖昧な回答 場合によって毎度変わる態度
結果見えるまでボカす旗色 常に確保しとくべきは退路

アイツとアイツがいい証拠 YES, ATODASHI is 必勝法
テキトー いやフレキシボー と呼ぶべきっしょ まさに歴史上

「Come on!!!!!!!」

Aiyo!
死 2 My technique 死 2 Mummy-D 死 2 My yesterday’s originality
死 2 My ステージの王の称号 呼ぶな伝説とか大御所と
ああ、もう、解き放ってくれ 横の棒よ 縦の棒よ
野生閉じ込めたがる鉄の棒よ 色眼鏡で嗤う木偶(でく)の坊(ぼう)よ
オレはラッタッタララッタッタ
トゥルルラッタッタ ただただドラムと愛し合う
パーカッションみたく当たり前に そこに居たいんだ 王冠と引き換えに
だってコトバはいつもオレを甘やかす 耳触り良くオマエをマヤカす
何がリリカル? 真実(こたえ)はシニカルなほどにフィジカル
ラップはラップだ幼気なほど タイムとライムで夜空に手が届く
と今も信じる 羽もがれた天使 一世代限りのイカレた遺伝子
トゥルルラッタッタララッタッタ トゥルルラッタッタ
オレは今日もリズムと愛し合うだけのSkeezer…
それを巷じゃKINGと呼ぶらしいさ

確と見ときな格の違い (Come on!)
KIDSとKINGの箔の違い (Come on!)
エキストラと主役の違い (Come on!)
誰だ? (Come on!) 誰だ? (Come on!)

元は弱小も弱小 下の下の下郎からスタート 手持ちのカードはゼロ
ガキの貯金的なプライドは捨てろ テメエの真価 全部吐き出すテロ
一見して軟弱 さながらカゲロウ だが時は満ちた 剣を掲げろ
まるでついに本性出したピエロ あの日クラスのトップ泣かしたベロ
形勢は逆転 気づいたっておせーよ まさしくマジック どや顔のセロ
またはとうに四隅取ったオセロ 秘密おせーろ? シッシッ、失せろ失せろ
今じゃ数パーセント級のスター選手 普段は変わらず卑屈に「サーセン!」
だが明らかにヤバいセンス オレがB-U-N-K-E-I最凶のパイセン
ミスター宇多丸 言わば逆ジェロ 真の意味で独自の道行くイエロー
ま、師匠って言ったって荒木師匠程度 で、楽勝っぽくギャラクシー賞もゲット
毎週末 怪電波上でHELLO! 中身はキミの耳で確かめろ
K.U.F.U.で超越するゲノム お届けしようもっとスゲーの……

確と見ときな格の違い (Come on!)
KIDSとKINGの箔の違い (Come on!)
エキストラと主役の違い (Come on!)
誰だ? (Come on!) 誰だ? (Come on!)
確と見ときな格の違い (Come on!)
KIDSとKINGの箔の違い (Come on!)
エキストラと主役の違い (Come on!)
RHYMESTER is back! (Come on! Come on!)

Okay, stop the beat Mr. DJ オレをハダカにしてみたいらしいぜ
テストしたけりゃしてみなオレのオタマジャクシ 粘膜に見事に着地
まるでギャラクシー揺蕩(たゆた)うミルキーウェイ ぶちまけるコトバは白濁し
巧みな戦略(タクティクス) ふざけた作詞に隠し
気取るのさ音楽私情一の歯口
Yeah, いざ明言しよう This is HIP HOP, this is the RHYTHM, the REBEL
マスが骨抜きにしようとしても 手に負えないのさどうしても
トゥルルラッタ トゥルルラッタッタ
トゥルルラッタッタッタ 真実は韻律の中にある
2000小節彼方でオマエを待つ Can U follow me?
Come On!!!!!!!!

確と見ときな格の違い (Come on!)
KIDSとKINGの箔の違い (Come on!)
エキストラと主役の違い (Come on!)
誰だ? (Come on!) 誰だ? (Come on!)
確と見ときな格の違い (Come on!)
KIDSとKINGの箔の違い (Come on!)
エキストラと主役の違い (Come on!)
RHYMESTER is back! (Come on! Come on!)

「おれたち、RHYMESTER(King)だけど、お前ら(日本語ラップシーン)、おれたちに追いつけるの??」
という、RHYMESTERなりの実績と曲の内容だけのボースティングであり、カマシであり、若手へのハッパかけなんです。
このスタンスがめちゃくちゃかっこよくて、このアルバム自体、どの曲も最高で、ONCE AGAINも、ラストバース、K.U.F.Uでも泣けるんですが、やっぱり「Come on!!!!」が最高すぎます。

キエルマキュウのMAKI THE MAGICがプロデュースした曲の名曲は、多くて、一番に思いつくのが末期症状ですが

RHYMESTERでいえば、「ビッグ・ウェンズデー」ですね。Come on!!!!もそうですが、ラップとも言えない舌足らずな豪快なシャウトで、「きゃもん!きゃもん!」と言っています。

メイドインジャパン(武道館)でMAKI THE MAGICが客演として登場するも、mummy-dと宇多丸の握手をことごとく無視する様子は、爆笑です。


合作で言えば、最近ですが「ドサンピン・ブルース」です。RHYMESTERには一切ない、豪快さだけが詰まったラップが込められいます。

腹は減っても、あそこは磨く


これらのMAKI THE MAGICの功績の中でも、Come on!!!!は、個人的に一番好きで
MAKI THE MAGICが最後のCome on!!!!のアウトロで、

THIS IS HIP HOP. THIS IS ど真ん中スタイル!!!!

で占められる部分で、宇多丸とともに僕は号泣しています。

そして、mummy-dの3バース目での、音抜きのラップは食らうほかなく

Okay, stop the beat Mr. DJ オレをハダカにしてみたいらしいぜ
テストしたけりゃしてみなオレのオタマジャクシ 粘膜に見事に着地
まるでギャラクシー

何度聞いても、リリックとラップのフィジカルの強さに興奮してしまいます。

「RHYMESTERの休止期間をいいことに、
日本語ラップヘッズは、過剰に、 RHYMESTERをレジェンド扱いして、幻想をいただいたり、別格として阻害していたのかもしれませんが、
それをやめてくれと、おれたち(RHYMESTER)は、まだ現役でやり合うつもりあるよ、Come on!!!」

っというように、妄想過多な解釈で、僕はこの曲を聞いて、感涙しています。


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