「NORIKIYO/犯行声明」について(2023/8/19)
NORIKIYOがかっこいいか(悪いか)の議論は、さすがに、ないと思うんですけど
NORIKIYOの「新譜が」が良いか悪いか論争は、2007年から、ずっとあると思うんです。

「おれは、かっこいいと思う」とか「おれは、好きかな~」的な
予防線を張った評価がずっと続くんです。
そう、それは、「メランコリック現代」以降、賛否両論です。
原因は、たくさんあると思っていて、原因の一つは、
ファーストアルバムが最高傑作という基準だからですね。。
ぶっちゃけ、日本人全員が否定しない(できない)アルバムを挙げろと言われれば、
絶対に入ってしまうほどの日本語ラップ史の中での「傑作」という内容です。
これは、詩・コンセプトとしても、申し分なし。客演完璧・アルバム全体として、自己紹介・社会問題、日本語ラップの良さマシマシ(お腹一杯で食べられない)100点満点ごえです。
2007年に、このトラックをかましてしまったB.Lの仕業も乗っかります。
この基準をずっと超えられない(超える必要もない)状況が、今日まで続きます。
次点で「OUTLET BLUES」。
「OUTLET BLUES」ですら、EXITなしに評価付けられない、いわば、EXITからセカンドストーリーみたいな位置づけです。
あとは、プロップスの維持を続けるというTHA BLUE HERB型ラッパーとなっています(すごい一枚目出したのに、ずっとラップ活動して、一枚目の評価から著しく評価を落としてなくてすごい~)。
その背景を辿って、「犯行声明」の内容を考えれば
まぁ違和感がないわけですよね。システム上、100点以上出せないから、やむなし。
そもそも、そんな経緯なくても、「良くないよ、このアルバム」意見として、
2020年にしては、「言い訳が多い」とか「諄さが目立つ」というのは首肯できちゃいます。
NORIKIYOをよく知ってしまった、おじさんには、「そんなことまで説明いらんですよ」というチュートリアルモードが諄く感じてしまう、、スキップ画面が多い、、的なストレスはあるかもしれない。
今までは、縦軸で、NORIKIYO(当社)比の話なわけで、
2023年の横軸で、他ラッパー(シーン)比較で考えると、
このクオリティとストーリーがあるアルバム出すラッパーいる??ってなると、まじでいないと思う。(だから、「良作なんだ説」)
OMSB、ZORNとかなら、出せるかもという、アルバムの規模感。
(KREVAは、出すけど、住んでる東京の場所が違うから、アルバムの規模が若干小規模)
やっぱり、シングル・EP、曲単体で、聞く時代に、アルバムを産み落として
牢屋に入ったNORIKIYOの所作は、美しいんですよね(娑婆に出たら、「まずアルバム」も、ラッパーの初期的所作)。
Prove One’s Case]

アルバムの軸、「証拠ないでしょ」「持ってたけど、国が悪い」。
うーーーーん。あんまりにも、「証拠」「証拠」っていうから、余裕がないというか、
「売買目的でやってんだろうな」と思っちゃう。笑
でも、そんな事実は、ファンとしては、くそ、どうでもいい。
ラッパ感あるトラックで、入場したNORIKIYOが、一言、
「証拠あんなら、出せよ」。
YOU TUBEで見る、飲み屋街で警察官と揉めてるチンピラの
日本語ラップ版。
ただ、びっくりするほど、ラップがうまい。
こっから、ノンストップで、警察・世論を煽り倒します。
ただ、日本を変えるために、ラッパーとして曲を出すのは、かなり遠回りで、
議員立法制の日本では、議員になることが最速という。。。
(みんなは、ちゃんと勉強して、適法に幸せになろうぜ!)
犯行声明

NORIKIYOに、あるものは、「詩」の力です。「ストリートの詩人」こればっかり、圧倒的に、面白い。
「学(額)がなくたって、絵はね、描けるストリートから来た」
ニュース速報から、ぶち抜いてきます。
I Represent…
超原点回帰。B.Lらしさ100%のイントロ。
こんなに豪華なトラックなのに、展開なし。
HOOK一本で、最後までラップで突っ走ります。

いまだに、BAD HOPのこと、嫌いなんかな。
ラップの王将



USのフォローだけじゃ、相模原の詩人は、納得してくれません。
もっと、アルバム単位で聴ける、リリックを寄越せという要求のレベルが高い。

ラップシーンを将棋に例えるにしても、こんなくそかっこい比喩表現とラップあるかね。
NORIKIYOが返ってくるまで、このかっこよさ、渋さは抜かれないはず。
何より悲しいのは、「NORIKIYO/相模川街」なくなっちゃいましたね。
あれも、名盤の一つ。
元気に帰ってきてほしいぜ。
ポッシブルゆうや