「KREVA/LOOP END / LOOP START」について(2022/1/23)

KREVAは”カマし”です。

「唯一無二のラッパーで〜」とかなんたら、インタビューで称されますけど
ただ”カマし”です。



例えば、THA BLUE HERBのファーストアルバム「STILLING,STILL DREAMING」は、紛れもなく”カマし”です。
5枚目の「THA BLUE HERB」は”愛”です。

SEEDAでいえば「GREEN」「花と雨」は、”カマし”で、OZROSAURUSは「Rhyme&Blues」は、”カマし”ですよね。
NORIKIYOも”カマし”多いですけど、「Bouquet」なんかは、”懺悔”ですよね。

「自分はダメだ〜」とか卑下しがちな、自己肯定感が弱いあなたが
絶対に聞いちゃダメなラッパー1位のKREVAです。

特に「LOOP END / LOOP START」は平成初期のバイブスで
令和3年まで生き残ってしまった多様性全無視のコンプライアンス事案な曲が多いです。

疲れた時には、dodoちゃんが、「それでいいよ。頑張ったよ。」と言ってくれるので、
聞くラッパーと曲を間違えないでください。



過去の栄光とウマすぎるラップに眩んでますが、
言っていることは、目がバッキバキのオンラインサロンとか開きそうなYoutuber以上に厄介です。

「目標を達成できないのは、お前の努力不足よ?」と真顔で言わんばかりのドヤ顔説教なので、気をつけるべきラッパーです。

そんな凡人な私たちがのうのうと生きることを否定するかのように
“カマし”てくるアルバム「LOOP END/LOOP START」について観ていきたいです。

「LOOP END/LOOP START」

基本の軸は、全編にわたって”カマし”です。
曲も、リリックも、MVも。年々悪化していくドヤ顔(=”カマし”)です。

そこに、コロナという、万人へのハードルです。
そして、「般若の功績」こと、化けた後のZORNという存在を見つけたというトピックです。(千晴を思い出せ)


さて、曲を聞く前に、9月8日にゲリラ的リリースする”カマし”です。
(値段も908円か、9,080円か、90,800円か知らないですけど、)リリース方法からカマされます。


しかも「1週間に1曲のペースで作り続けたからね!?」・・・・うるさいと。
「2019年から作り貯めていたトラックもあったけど、」・・・・うるせぇな。

「Finally」

やっとあえたな…
あれから僕たちは何かを信じて
裏切られ
掴みかけたものも無駄になって
うまくいかねぇって
腐りかけ
でもそれすら歌になって
また舞台に立てる
全てを今この瞬間にかける
なくなったもの数えて暮らすのすぐにやめ
まだこの世にないものでプラスを作り出せ
いつまでだってやってやんぜ
だってあるのは LOVE だけ
あるわけない丸投げ
この身がなくなるまで
100%なんてないって
そんなのわかってる
細部までこだわってく
完成は一生かかっても無理?
そんなの関係ない
この気持ちは誤魔化せない
俺からビートを奪えば
それはまるで時が止まった世界
終わらせない 勝手にすんなよ 自己完結
大丈夫 高鳴る鼓動 心臓が告げる
「生きてる」 感じてる 2次元 3次元
気にしねぇマジで これ聴いてる君目指して
ここからまず言葉放つ留まらないエナジー
心の中深くにある琴線に触れ響いてリバーブ
まさに共鳴して 君が意を決して
そこにいてくれることが俺の存在を証明してる
感動で号泣 してようがしてまいが 
ちゃんと伝えたかったらそれは何度でも言う

急にゲリラ的にリリースしたくせに開口一番「やっと会えたなぁ」

しかも、暴力的に押韻を耳にブツけられる。固いよぉ。。

裏切られ
掴みかけたものも無駄になって
うまくいかねぇって
腐りかけ
でもそれすら歌になって
また舞台に立て
全てを今この瞬間にかけ
なくなったもの数えて暮らすのすぐにやめ
まだこの世にないものでプラスを作り出せ

この曲は冒頭で、「ついに」って言い出すんですが、次の曲は、skitなんです。
つまり、ほぼintroなんです。
MVも撮って、変なメガネもかけといて、この曲は、挨拶がわりなんですよね。

要は、この作品の解説、次の曲から、本作がスタートする”カマし”です。

「In the House」

In the house in the house
今皆 in the house
In my mind in ya mind
怒りや苛立ち
いっぱいある 心配、不安に涙、しがらみ
実際 気が気じゃ無い 痛みが増す

In the house in the house
今皆 in the house
In my mind in ya mind
怒りや苛立ち
いっぱいある 心配、不安に涙、しがらみ
いつか光は差す? しっかりしなきゃな

吐き出しな 不安を不安のまま
どっか飛んでけ フワフワの綿
剥がせばいい 上っ面の皮
余計な虚勢 上手くサヨナラ
するために話すの書くの重要
ブルーな気分 たまると群青
闇になる前にアウトプット
ネガもポジも全部絡まる50音
今いる in my room
そんな周り気にして何になる?
身軽になる エリカバドゥ
Pack Light やればできたはず
誰かの些細なたった一言の
大事さわかるから俺が言っとこうと思う
そりゃある 上手くいく日 いかない日
それでも繰り返しが大事

物の多さに毎度たじろぐ
狭いルームでもマインドは広く
インプットしたけりゃまず吐く息
その前にハウスキーピング
それすらなかなかままならぬ日々
一旦腰掛けたらダラダラ中心
変わる気あるならまずはまぁ楽に
出来ることから取り入れてく新たなルーティン
差し込む光 見逃さないように
目標設定は簡単に 基本から入ろう
あとは 重い腰 なんて思い込み
ほんの一時で価値観変わる 面白い
今皆 in the house
時間の活かし方次第で
ピンチがチャンス 信じなさい
あれのせい 誰のせいって犯人探す
よりまずは自分が立ち上がる

KREVA流の「うちで踊ろう」です。

要は、ネガティヴなループを終了(END)にして、ポジティブなループをスタートしようぜと

吐き出しな 不安を不安のまま
どっか飛んでけ フワフワの綿
剥がせばいい 上っ面の皮
余計な虚勢 上手くサヨナラ
するために話すの書くの重要
ブルーな気分 たまると群青
闇になる前にアウトプット
ネガもポジも全部絡まる50音
今いる in my room
そんな周り気にして何になる?
身軽になる エリカバドゥ

唐突なR&Bの黒人のシンガー。エリカバドゥ氏。

不安のことを、”ふわふわの綿”で踏んでいき、KREVA流自己解決方法を伝授してくます。しかも硬い。

この時にすでにZORNとの曲も作られてるんでしょうけど、この作品で、「タンポポ」がキーワードらしいです。
なんかめっちゃ「タンポポ」を連想する言葉で踏みます。

(ネガティヴな気持ちをうまく整理するために)話すの書くの重要
ブルーな気分 たまると群青

お前の書いてるボールペンインクの問題やろ!!

「よ ゆ う」

急遽 与えられた猶予 (ゆうよ)
ならびかえりゃ 余裕 (よゆう)
自己流でもグルーブを生む
死ぬまで生きる思う存分
急遽 与えられた猶予 (ゆうよ)
順序ならびかえりゃ 余裕 (よゆう)
自己流でもグルーブを生む
死ぬまで生きる思う存分

マイナス+マイナス=マイナス
その+をうまく斜めにずらす
マイナス×マイナスでプラス
そう簡単にうまくはいかないが
マイナス+マイナス=マイナス
その+をうまく斜めにずらす
マイナス×マイナスでプラス

1/4コペルニクス的転回
それとも これ屁理屈
どっちにしろ 発想の転換
生み出せ 環境の変化
今日もできた また今日もできた
その連続こそが継続
人からすりゃ 「何?その程度?」
それくらいのが近いぜ 成功
いきなり10回しようとする
翌日にはやる気 ショートする
それならば 1回を10日で
しっかりと消化しようか
まずは 習慣化する
毎日やる事の順番パズル
自分にとって イイ事組み込んで
行こうよ 次のレベルへ だって今は

Hey! Yo! Put It Right There!
しまっておいたらできなくなるのも無理ないって
逆もまた真なり まずひとつ
自分を誘惑するもの隠しとく
自分がなりたい自分イメージ
それを基準に鍛える自制心
俺の中の俺のファンが
俺に求めることがとめどなくある
急遽与えられたモラトリアム
に堕落しない 他と違う
そりゃたまにはポカもします
そんな自分変えるのに許可証いらず
改良重ねながら暮らす
使えるなら使ってみるアナグラム
これは他人じゃない自己啓発
絶対ならない 近所迷惑

万人に与えられた「ライブ延期」という課題であり、その困難のことを「猶予」といい「余裕」と称する
”カマし”です。

電話で、スケジュールを全部リスケジュールにされて、周りのラッパーに寄り添うと見せかけてからの、
「まぁ、俺的には時間あるから、曲作るけど」という曲です。

謎の演技も”カマし”です。
言葉を無駄に入れ替える”カマし”です。

内容は、ほぼ、巷に溢れる1,000円〜2,000円で買えそうな自己啓発本なんですが、
難しい言葉が入って、押韻が聞けるので、
帯に「あのプペルの原作者推薦!」って書いてあるくらいなら、この曲を聴いた方が幸福になれます。

いきなり10回しようとする
翌日にはやる気 ショートする
それならば 1回を10日で
しっかりと消化しようか

めっちゃ良い韻。。。会話レベルの言葉なのに固い。
これなら、仕事中でも言えますから、ビジネスマン向けの曲でもあります。

これは他人じゃない自己啓発
絶対ならない 近所迷惑

やっぱり読んでた。

「って feat SONOMI」

情報のビッグウェーブ乗りこなす
お先に失礼 どいてくれ
ペースは変えない職人気質
たまに潜ったらドルフィンキック
おぼれちゃってるな Somebody
尻目にお宝掴む 尼さんばり
今日もさっそうと陸に上がる
海辺のコテージ シーツに薔薇
なんてのは夢のまた夢さ
ちょっと待ってくれよ 早くねぇか?
この展開 選ぶ選ばない
考えつつ必死でバタ足
それでも流されがち
すがりたくなるな また誰かに
楽だろ? 何かのせいにすりゃ
でも忘れられないんだよ あのセリフが

「風の音が迫ってる。だけど駆け出して」
「最初から自分から選んで、自分から狙って」って
「雨も関係なしで。誰も待ってないで」
「最初から自分から選んで、自分から狙って」って
って
って

結局最後は自分で
選んで今またライト浴びる
あの日のワクワク感
してたまるかよ このまま不発弾に
ムシャクシャする事 数々ある
でも目の前をチャンスが瞬間通過
なんてごめんだ 断固拒否
勇気もらう 道端のタンポポに
AI もオススメしてくれない
この人生匍匐前進で 食らいつく
もし出品されたら
プライスいくらくらい付く?
飛び込みたくなる 駆け込み寺
わかっちゃいたけど 誰もいねぇんだ
何も無さが逆に窮屈
気づけばまたあの言葉がループ


「風の音が迫ってる。だけど駆け出して」
「最初から自分から選んで、自分から狙って」って
「雨も関係なしで。誰も待ってないで」
「最初から自分から選んで、自分から狙って」って
「負けないで。やめるをやめないで」
「最初から自分から選んで、自分から狙って」って
「雨も関係なしで。誰も待ってないで」
「最初から自分から選んで、自分から狙って」って
って
って

この曲も”カマし”ソングです。
まず、SONOMIが客演ですが、Hookは、KREVAが歌い、SONOMIは、コーラスです。
“カマし”すぎます。(SONOMIはKREVA専用フックシンガーなのに)

すでに「ってかもう」っていう曲もあります。謎の重複という”カマし”です。

ペースは変えない職人気質
たまに潜ったらドルフィンキック

固すぎる。ほんと最高。

今日もさっそうと陸に上がる
海辺のコテージ シーツに薔薇

基本的に、世界観は、「イッサイガッサイ」のまま更新されておらず
「理想の自分」は、「リゾート気分」です。
「タンポポ」のリリックも同様に「ハワイ」と「バリ島」で貝殻拾います。。。
と油断してたら、、、

なんてごめんだ 断固拒否
勇気もらう 道端のタンポポに

KREVAの謎のタンポポ期。

この人生匍匐前進で 食らいつく
もし出品されたら
プライスいくらくらい付く

KREVAが、ZORN好きすぎて、BBP決勝から、オマージュ。

「何がプライスレス、おれはまだまだ食いつける
 俺が上で、お前が下。位つける

「Fall in Love Again feat.三浦大知」

tofubeatsも絶句する、マジで気球に乗る”カマし”。
そしてハート形の湖という”カマし”
tofubeatsにリアクションさせる”カマし”です。

爆笑必至。


さて、少しだけ揶揄しましたが、
こんなに万人ウケしないリリックにも関わらず、ラップとサウンドの力で、
国民的のラッパーなんです。

誰も否定できないほどに、本作品は、良い作品でした。

2021年でも、なお、トップレベルのKREVAだからこそ
DiagonalのDJとして呼ばれる訳ですから。若手・中堅の憧れですよね。

くどい説教とKREVAサウンドに耐性があれば、永遠に聞けると思います。
めっちゃ勉強になる、最高なカマしアルバムでした。

日本語ラップオタクブログ


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