「百足/EpisodeⅢ」について(2022/2/20)

ぼくは、MCバトルだろうがなんだろうが、若ろうが、おっさんであろうが
日本語ラップに愛さえあれば、結構なんでも好きな雑食です。

こういう人は、2000年代の日本語ラップを経験したヘッズには、多いと勝手に思っていて、
音源派とか、MCバトル派とか、アンダーグラウンドとか、そんなの時代による誤差で
「ケツメイシ、RIP SLYME」というオーバーグラウンド に対抗するアンダーグラウンドという構図だけで
成り立っていて、むしろ、アンダーグラウンド側の意見として、
「フリースタイルできないラッパーは、ラッパー じゃないでしょ」という謎の切り札しかない時代でした。



今は、フリースタイルダンジョンがあった時代を経ているから、般若やBAD HOP、MC漢ですら、オーバー感があって
むしろ、「オーバーグラウンド対アンダーグラウンド」という構図がわかりにくくなっているだけで
「音源 対 MCバトル」という構図に移行して、今に至っていると思います。

ただ、「MCバトル」もカルチャーの派生の一つですし、MCバトルの敷居が今が低いだけで
そこに良し悪しは、存在せず、聴き手が判断する謎の上から目線の”良し悪し”とやらは、「ラッパー」だけに依拠しています。

だから、MCバトラーが、という言葉も、忌み嫌われることもなくて、
ただの時流で、単なる一過性だと思っています。
低くなった敷居に興味が満たされず、参加者が減った場合、
近い将来、本気度の高いラッパーが残るだけですから、、、
つまり、今は、聴き手の熱意と成熟度が試されている地合なんだと思います。

ぼくの大学時代は、HIDADDYとFORKの試合に感動していて、ときめいてDJサークルの入部の時、
「MCバトラーとして頑張りたいです!」と胸張って言って、諸先輩方に褒められていた記憶です。(すぐに挫折したけど)




さて、そんな前置きをよしとして、前述の構図のときから現在に至るまで、日本語ラップの役者かつプロデューサー、トラックメーカーであるタイプライターの活躍は、めっちゃ尊敬できます。

雷家族、ZEEBRAはもちろん、とくに般若のトラックメーカー・プロデューサーとして活躍していましたが、現在に至っても、SUSHI BOYS、AYA a.k.a PANDAといった比してキャリアが浅めのラッパーへのフックアップも止まりません。
ここまでレジェンドすぎると、「昔は良かった」的な懐古厨に収まることは、簡単でしょうし、楽ですが、
今もなお、前線で活躍してるんですもん。


ここ最近では、「LA LA PALOOZA」が2017年のもっともかっこいい日本語ラップといっても過言じゃないアルバムでした。


生まれてこのかた、般若のファンであるぼくからしたら、
般若である以上に、クレジットにタイプライターの記載量が重要な要素でした。笑
もう、脊髄に近いところで、タイプライター、Bach Logicの音楽が好きなところがあります。


原始時代からあるような冒頭の些細な議論をよそに
日本語ラップ原始から現在に至るまで日本語ラップに貢献し続けるタイプライターがここ最近フックアップしている百足のアルバム「EpisodeⅢ」について書きたいと思います。

EpisodeⅢ」

基本、バカほどフレッシュな内容なんで、おじさんの耳が痛くなるほど、眩しいです。笑
ここにきて、3rd Albumで、1からスタートするんだという、日本語ラップに対する熱意と誠意を感じられる内容で、最高です。

「Restart」

荏原3丁目の公園皆集合
“スピーカーもってるなら先やってていいよ”
理由も根拠もなくひたら蹴るワンバース
の中で生まれるドラマいつもありがとうな本当に
金ない俺らポッケの小銭かき集めて吸うウィード
煙たいならあっちいけよ俺らはこの通り
避けられるのなんてさ俺ら日常茶飯事
そんなやつが集うだからこそ絆堅い
金なんてあの頃からない
金が欲しくて初めてない
弱虫のくせ負ける気ない
これからは俺が背負う時代
言葉の数ある十字架
目の前から逃げる奴ら
嫌というほど見てきたさ
だから俺に必要なのは愛
これ以上勝るものはない
だから休んでる暇ない
蹴りをつけるぜこのライフ(このライフ)
この先も一緒にいたいね
大人になるのは大変
きっと数年後は思い出
になるならいいのにな
あのサイファーから経った数年みんな何してんだ?
今じゃあそこにいた奴らなら1人もいねえが
たまに思い出すよかむろ坂を下るときに
肩身狭い思いで安酒を交わした夜に
人生とかきっと死ななければわからねえよ
お前が背負っていた痛み俺はわかれねえよ
そんなときに揉める金や女いつもこうで
今度はあいつがいなくなる?
あーめんどくせえな本当に
俺がまず立たなきゃ先頭に

すごく不思議な構成と、不思議な節がついている一曲から、本作がスタートです。
めちゃくちゃ力強いラップ一本です。本作で一番好きです、何回も聴きました。

初期衝動をハイライトしている一曲でありながらも、ベクトルが将来に向かっていて、
外野に「おれはラッパーなんだ」というフレーズを言わずとしても、肯定せざるを得ないほどにかっこいいバースが続きます。

高校生ラップ選手権の王者として、絶対的な主人公であり続けなければ存在意義がないことを覚悟した一曲でした。

今じゃあそこにいた奴らなら1人もいねえが
たまに思い出すよかむろ坂を下るときに
肩身狭い思いで安酒を交わした夜に
人生とかきっと死ななければわからねえよ
お前が背負っていた痛み俺はわかれねえよ
そんなときに揉める金や女いつもこうで
今度はあいつがいなくなる?
あーめんどくせえな本当に
俺がまず立たなきゃ先頭に

「LIfe is」

今伝えるよありがとう 仲間家族に愛するガール
不器用だけど伝えてえや
他にねえし書いてみっか
Don’t look back 嘘はないし
偽りでは響かないし 涙流す前に手紙代わり
話すことがある
朝方に見てた夢 数人でいる愛育公園
根拠なんてないけど
強くなるって決めた全員
それぞれ の別れ道
また明日って言葉じゃ
不安で不安でしょうがなくて
引き止める理由もなくて
「人生なんてどうせ」って悲嘆してた少年
みんなちょっとまってって置いてかれ泣いて
すぐ誰かのせいにしていつの間にか1人で
自分が嫌いな大人に近づいてきてるよ
名もない今日も君と過ごす冷たい東京
全部偶然に見えてちょうど
会えた9人と過ごす今日も
生きるのに必要な証拠なんてなくて
君が君でいれば俺はそれでいい
俺はそれでいい

I want to see you face
I want to see you face
時が戻るならあの日のウィークエンド
I want to see you face
I want to see you face
あの日のくだらないトークもシークレット
別れを告げる5秒前
やけに暗い交差点
君と俺の距離を繋ぐ後少しで
下向いてばかりじゃしょうがねえ
って覚悟決めた夜
きっとこんなもんって知った人生

俺らいつの間にかさ
出来る様になった愛想笑い
得ては減ってく「何か」は
未だにわからないまま
初めてラップした時の純粋な
目の輝きも 都合よく忘れちゃって
隠したくて埃かぶっている
負けも勝ちも正直俺にはそんな大差なくて
お金も酒も己の本質変えることはなくて
待てど暮らせど自分が動く他に道はなくて
変わらない毎日 平凡な生活 今は今で愛せる
どれだけ騒いでも帰り道は1人で
誰かの成功や育ってきた環境に
妬んでる自分にすら嫌気がさして
あなたを待たして 元も子もないね
今伝えるよありがとう仲間家族に愛するガール
不器用だけど伝えてえや他にねえし書いてみっか
君が消えた冷たい東京
嘘みたいで眩しいLifeも
俺ら望まないし今夜だって馬鹿みたいに騒ぐ

超、華があるhookを一人で歌い上げられるスキルもあって、キャッチーさもある。
もっと、もっと人気になるのになぁ、、評価されてもいいのになぁと。(ほっとけ!)

百足に謎になる泥臭い感は、「(地元から)成り上がる!」という点で、東京出身の彼に馴染まなく、
ゲットー感もないので、謎にピンとこないリリックが続きます。
もっと等身大なリリックがいいと思うんだよなぁ。
にしても、Sound’s Deliほどのアーバン感、TOKYO感は全然ないし、、、ラップ上手いのに、もったいない。

韻マンとの2曲「一人じゃない」「夢物語」は、MVと内容を含めて、視聴者を置いていきがちな内容で
これまた同じ感想。

偽りでは響かないし 
涙流す前に手紙代わり
話すことがある 朝方に見てた夢 
数人でいる愛育公園
根拠なんてないけど 
強くなるって決めた全員

「邪魔しないでよ」

邪魔しないでよ
本当に
俺らのライフが
バカみたい?でも遊びじゃないのさfeel me
邪魔しないでよ
本当に
俺らのライフが
バカみたい?でも遊びじゃないのさfeel me
24/7 I’m real one
お前がいるとできないRelux
俺ら売れないなりに制作
してるのに外野がうるせえなあ
人の金でお前がチェーン買う間
俺ら3DAYS LIVE帰りの羽田
見飽きてるのさ朝の第二ターミナル
夢や葛藤背負った奴らが行き交う
別に嫌いではないよ
朝になれば忘れてそう
そのままでいいなら言うことはないけど
人の事言うならやれよ
かけてる思いが違うんだよ
それだけ言えるならマイク渡すからやってみなよBoy
邪魔しないでよ
本当に
俺らのライフが
バカみたい?でも遊びじゃないのさfeel me
邪魔しないでよ
本当に
俺らのライフが
バカみたい?でも遊びじゃないのさfeel me
また歌詞書いてる 朝が来る前に
仲間思い出す 今日はやけに辛い
考える再生回数 とコメントの数
俺のやりたい事 こんがらがる
でも必死に歌う仲間たち
俺より売れてない仲間たち
お前がSNSでdiamonds on my wristとか
Flexしてる間も書き殴り
別に嫌いではないよ
朝になれば忘れてそう
そのままでいいなら言うこはないけど
人の事言うならやれよ
かけてる思いが違うんだよ
それだけ言えるならマイク渡すからやってみなよBoy
邪魔しないでよ
本当に
俺らのライフが
バカみたい?でも遊びじゃないのさfeel me
邪魔しないでよ
本当に
俺らのライフが
バカみたい?でも遊びじゃないのさfeel me

なぜか、日本語ラップの世界には、自分を邪魔する架空の人物が多いです。
10代にして、とりまく敵に立ち向かい、仲間と生きていくことを誓いガチです。

そんな曲が多い中で、この曲は、少し違う角度で結構面白いです。
というより、全曲と比して、断然等身大で、百足の実直さが出ている気がします。
百足の性格がリリックに出ていて、面白いです。笑

考える再生回数 とコメントの数
俺のやりたい事 こんがらがる
でも必死に歌う仲間たち
俺より売れてない仲間たち


総じて、「EpisodeⅢ」は、今までの作品の中で、一番しっくりくる曲が多くて
さすがタイプライター先生の度量かと思いました。

AYA a.k.a PANDAを爆はねさせた次は、SUHI BOYSを武道館規模のラッパーにする課題がありますし、
安さが出ちゃうロック・ミクスチャー的なノリを否定して
百足をもっとゴリゴリの日本語ラップに改造してほしいです。めっちゃ似合うと思うんだけどなぁ、、(個人的な意見)



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