洋平です、どうも。


中学の頃、友達がゆずだORANGERANGEだと休み時間に話す中私は話題が分からずその輪の中に入れずにいました。しかしながら、1つのアーティストを好きになり解散まで追えたのは大きな財産だと思っています。十数年経っても同じアーティストの同じ曲を聞き続けるって中々ないですからね。

「My Melancholic Prequel/SOUL'd OUT」
SOUL’d-OUT--300x256

収録されているアルバム「To From」はSOUL'd OUT名義の最後のアルバムであり、
解散が決まってから制作されました。
たまにアルバム通しで聞きますが、毎回「one man cast alone」で聞くのをやめています。
個人的には、ファン(Cru)に向けた楽曲「scribbles」「Dear My Cru」は
彼等からの最初で最後のリップサービスに思え、ボーナストラックという認識です。


解散が決まって尚、「Sweet Girrl パイセン」「MARTIAN MARTIAN」などウィットに富んだ曲から、
ワンループビートにラップ一本勝負の「one man cast alone」、
jazzとラップを融合させた「Hoochie Coo Baby」を作るあたり、
生粋の音楽マニアなんだなという思いになります。
正直最後にこんなアルバムを持ってこられると解散を惜しむ気持ちが増幅しますが、
既に彼等の中で決まったことなので何も言わずにLAST LIVEに望んだ思い出です。


そんな「To From」からオープニングナンバーである「My Melancholic Prequel」
について書いていきます。

直訳すると「私の憂鬱な前編/序章」とあり、
やや陰鬱なイメージとなりますが歌詞を見るとそんなことは無く前向きな曲となっているので
「憂鬱」というより「物憂げな」という表現の方が適切に思えます。
(melancholiy(メランコリー)と見ると「憂鬱」と訳したくなるのは「涼宮ハルヒの憂鬱」が好きだからです)

この曲を聞く前に、おそらく(いや確実に)意識しているだろう曲を紹介します。それは「My Melancholiy Blues/Queen」です。ファンでは周知のことですがMain MCのDiggy-MO'は影響を受けたアーティストとしてQueenを挙げており、インタビューで度々出てきています。

「My Melancholiy Blues」はQueenの6thアルバム「世界に捧ぐ」の1曲であり、
同アルバムには「We Will Rock You」「We Are The Champion」など有名な曲も収録されています。
(私は「All Dead, All Dead」という曲が好きです)

「My Melancholiy Blues」は、主人公が恋人(歌詞内では「Baby」)と別れ、
新たなステージに向けて不安になりながらも前向きになり突き進むことで脚光を浴びるが、
別れを哀しんでいる。といった曲です。
特に、別れたことにより唯のブルースが物憂げなブルースとなる部分に人間としての成長を感じます。
次のステージに向かうための必要な別れを表しているのでしょう。

「My Melancholiy Blues」では恋人との必要な別れがテーマでしたが、
「My Melancholic Prequel」は解散が決まったことを前向きに捉えた上で、
解散が必要な別れであることを表現しているように思えます。
Prequel(前編)があるならばSequel(後編)もあるので、
SOUL'd OUT時代を「物憂げな前編/序章」と捉えることで、解散後の活動(Sequel)に前向きに望もうとしているのではないでしょうか。

そんな「My Melancholic Prequel」ですが、解釈としてメンバーからメンバーへのメッセージのように読み取れます。
アルバムタイトル風に言うと「from SOUL'd OUT to SOUL'd OUT」ですね。リスナーが入ること無く完結するので、LAST LIVEのセットリストから外れたのではないかと考えています。
(曲調的にはオープニングナンバーなので、LAST LIVEのオープニングである「UnIsong」が入ったことでセットリストに組まれないとなったかもしれませんが)

前置きが長くなりました、それでは歌詞を見ていきましょう。

1st verce(Diggy-MO')---
yeah 夢ん中ゆけ 
不思議な国 truly unique 
セリフはねぇ a-man 誇り高くあれ 
baby テメェのリスクで踊れ 
また you can 以前建造中のソレ 
鉄骨がまだ剥き出しのままで

あぁ 君に 君に祈りの言葉
届いただろうか star 
in the making visualize 
リトル・ハートエイクの
名において fly
fly beyond oh my…

My Melancholic Prequel
---

イントロを聞くだけで「これだよコレ」と興奮するような導入です。
「To All Tha Dreamers」「カーテンコール」の系譜を受け継いでおり、
彼等なりの「今」を音化しています。
Trackmaster Shinnosukeのバッキバキのシンセサウンドが初っ端から光る曲となっています。

コード進行のシンセとメロディのシンセの2種類ありますが、
メロディの方はエコーとリバーブの調整が難しそうです。
通常はかけすぎて、耳うるさいトラックになりがちなエフェクトですが、
本曲のトラックは高音特有のギラギラ感もないので聞きやすいですね。

「夢ん中ゆけ」は解散して自身の夢を追って行けというDiggyなりの激励ですね。
特に、「セリフはねえ」部分が「GROWN KIDZ(4thアルバム収録)」の「別れの時 互いにほら 涙を見せるんじゃなくて そっと寂しさわかって 手を離して 背を向けた」とリンクしててグッときます。
別れには台詞は要らないのでしょう。現に、彼等のLAST LIVEではラスト曲終わりに何も告げられることなく白幕が急に下り終幕となりました。
歌詞のリンク、LIVEでのリンクと兎に角スタンスに筋が通っていて好きです。

「リトル・ハートエイクの名において fly」というのはDiggyのソロ2ndアルバムの「Heartache Jive」からの引用でしょう。(「Heartache Jive」については機会があれば感想を書きます)「ーの名において」はカッコイイ表現ですね、未だに他のアーティストのリリックで見た事はないです。英語では「in the name of -」と表記するようです、1度自分の曲で使ってみたいです。

続いての「fly beyond oh my... My Melancholic Prequel」からも、
物憂げな前編を飛び越えて自分の道を行けというメッセージが込められていることが読み取れます。

2nd verce(Bro.Hi)---
in top オレ 走り続けて
光速でクラッシュ 
躊躇せず 全ガジェットでギミック繋げ 
エピソードゼロだって反転
a bent stick からの magic で
モーロックでさえ深く感激
幻想じゃねえ story 語れ
知れ切った結果でもいいぜ...

目を見て deep breath
答え合わせ 旅果てて夢の果て
幾千の stars 笑い 泣いて
セカイ系の外伝へ続け
stain 古いキズ汚す pain だけオレに預けて
あとは fly away
----

Bro.Hiは同アルバム全曲通してラップがキレており、新しい境地に達しています。
SOUL'd OUTは4thアルバムから5thアルバムの間に1度個人のソロ活動を挟んでいますが、
1番変わったな、と感じたのはBro.Hiでした。
特にメロディラインに乗せたラップが増えておりそれを爆発させたのが「VELVET ROMANCE(5thアルバム収録)」「one man cast alone(6thアルバム収録)」です。

本曲でも漏れずにメロディアスなラップをかましており、曲に幅ができています。
「目を見て deep breath 答え合わせ 旅果てて 夢の果て」部分はトラックのコードチェンジも相まって情緒あるラップとなっています。
「夢の果てで答え合わせ」ということは「Sequel(後編)が終わった頃に話そうよ」ということでしょうか、Diggyと違い優しいですね笑
「Dream Drive(1stアルバム収録)」にも同じような歌詞表現があり、こちらも歌詞リンクが感じられます。

「躊躇せず 全ガジェットでギミック繋げ」は、「やるならとことんやれよ」というメンバーに対する熱いメッセージですね。
どちらかと言うとShinnosukeに向けたものかと思います。
「エピソードゼロ」「セカイ系」は「Prequal」を言い換えた表現です。(初め本曲を聞いた時は、「セカイ系」と来て「メランコリー」だったので小説「涼宮ハルヒの憂鬱」を思い浮かび上げましたが、あまりにも突拍子もないので解釈として違いそうですね笑、どちらかと言うと次記の小説の方が関係深そうです)

途中出てくる「モーロック」は海外古典小説「タイムマシン」に出てくる、未来の類人猿のことだと思います。(「Twilight Twilight(同アルバム収録)」でも海外古典小説「宝島」に登場する宿屋「アドミラルべンボー」が出てくるので名作小説繋がりで確かかと思います)
小説内では野蛮な敵として扱われていましたが、そんなモーロックが深く感激するような音楽を残していこうという意味が正しそうです。

「古いキズ汚す pain だけオレに預けて あとは fly away」はBro.Hiの男気が十分に炸裂してますね。Diggyも「fly」という表現をしており、「エピソードゼロ」「セカイ系」「Prequal」を超えていこうという意思表明に聞こえてきます。
1st/2nd アルバムの頃はDiggyと同じ表現を使用することはあまりなかったですが、「To From」では表現(ワードチョイス)が重なることが少なくないです。
複数人グルーブで同じワードを使用する(または同じ韻で踏む)は、効果的になる反面、多用し過ぎるとチープに聞こえてくるのでこれぐらいの塩梅で丁度いいのではないでしょうか。

因みに今回の「ア アラララアァ ア アァ」ポイントは00:26と02:34と02:42の3つです。
1つ目と3つ目はわかり易いですが2つ目は耳をすませないと聞き逃します。合わせて上級者向けですね。

Bridge-----
君は俺を裁くつもりなのか 欺くのか
今日という日が記念日になるかもしれない
俺を信じられなくなるのかい?
君のくれた針を飲み込んで次を綴れば
ガソリンと Arcady の名において fly

My Melancholic Prequel
仕掛け線サ 飛び越えていけ
My Melancholic Prequel
ハミングのように
----

毎回Bridgeに行く前の間奏ではShinnosukeの技が光るのですが、今回はドラムンベースで攻めてますね。従来ではここでdjスクラッチが入ることが多かったのですが今回は入れていないです(というより、同アルバム全体的にdjスクラッチ入れていないです。)
djスクラッチはサポートメンバー担当だったので、今回のアルバムは3人で作り上げた感が出てて好きです。

ここまで解散を前向きに捉えることに対してメッセージ性に一貫性を持たせて来ましたが、Bridgeでは更に深く表現されております。
この曲で一番好きなフレーズ「今日という日が記念日になるかもしれない」はSOUL'd OUTのこれまでの全曲通しても秀逸な感情表現です。
解散後に更に晴れやかな人生を送ることができれば、解散日は初めの1日として重要な記念日になりますね。
「Melancholic Prequal」の言葉の意味にもマッチしており、曲を通してBridgeでこう言われると曲としての完成度が高いと言わざるを得ないです。

ガソリンは「GASOLINE(4thアルバム収録)」、Arcadyは「Arcadia(ソロ2ndアルバム収録)」のことです。どちらもLIVEでは必ずと言っていいほど歌われる曲ですね。
「君のくれた針」はShinnosukeからの活動休止提案の事だと考えています。
そう思うと、全体的にBridgeはFrom Diggy/Bro.Hi To Shinnosukeのように見えてきますね。
「君は俺を裁くつもりなのか 欺くのか」は感情の揺れ動きが表れていて良いですね、前回記事でも書きましたがDiggyの"ウリ"は歌詞表現だと思います。

hook-----
My Melancholic Prequel
i say yeah 続きはテメェ次第サ yeah
Melancholic Prequel
うたって dream で 奏でる story

My Melancholic Prequel
just get yeah 誰に求められねぇ Sequel yeah
Melancholic Prequel
うたって scream して 掲げる story
------

最後にhookですが、「Melancholic Prequal」の発音がいいですね。
もう本当SOUL'd OUTのデビューから変わらずの真骨頂なのですが耳に残る音楽を毎回作ってくれます。
「メェランコリックゥ プレックォックォックォール」と文字にするとPOP過ぎますが、verceのラップの旨さとメッセージの高さとのギャップが更にこの曲の良さを引きだてています。
「続きはテメェ次第」「誰にも求められねえ Sequel」は、これから先自己責任の世界だよ、ということでしょう。
まあ、「ALIVE(3rdアルバム収録)」の「問いかけたって結局は自分次第」から、それ迄の活動の中での同じ思いであったことは伺えますが。

「My Melancholic Prequal」はアルバムの中でも好きな曲です。
それまでの曲の総決算と言うよりかは、プロ活動の中で音楽に対する考えも変わったし好きな音楽ジャンルも色々と変わったけど、こういう曲も変わらず好きだよ、と言ってくれているような気がします。
日本語ラップはナマモノであり世代を反映していると言いますが、彼等の曲もアルバム発売当時の心境を読み取れるので1つのアーカイブとして聞けるのが良いですね。
同アルバムには、メッセージ性が深い曲からラップ技術が高い曲、音楽性豊かな曲がありますので、この記事に興味を持った方がお暇な時に聞いていただけますと嬉しいです。


洋平