こんにちは

前回、BAD HOPを取り上げましたが、
まぁ自然にT-pablowが水曜日のダウンタウンのコメンテーターとして出演していました。
日本語ラップ大好きなTBSテレビの演出家の藤井健太郎の番組ですから
番組の効果音も流行りのトラックが良く組み込まれています。

そんな日本語ラップ好きの演出家が作る番組のオープニングを飾るのは
PUNPEE」です。
もう時代が板橋兄弟です。
ゴールデンタイムの番組のオープニングを歌えば、弟はRADWINPSだったりDOCOMOのCMの主題歌になる時代です。




では、ここでPUNPEEの代表作を取り上げたく
加山雄三 / 加山雄三の新世界

加山雄三の新世界
ヴァリアス
ドリーミュージック
2017-03-08




この手のトリビュートアルバムはよく見てきましたが
特段、本作は凄く挑戦的なアルバムで
何故か全部ラップで纏めるというチャレンジングなアルバムです。





以前大御所たちもチャレンジングなアルバムには挑んでますが
全曲ラップではありませんでした。

例えば長渕剛
「長渕剛/Hey ANIKI!」

Hey ANIKI!(CCCD)
オムニバス
フォーライフ ミュージックエンタテイメント
2004-04-28

「裸足のまんまで (Remix) (般若 from 妄走族)」
この曲に関しては、般若が好きな人は聞けるんでしょうが、まぁ長渕剛ファンからしたら「なにしてくれてんねん!」という感じでしょう。スーパーファンであれば子弟関係の般若は許容してもらえるかもしれませんが。

「しあわせになろうよ'04 (長渕剛 & All Cast feat.ZEEBRA)」

般若ZEEBRAがラップします。もうこれはあれです。




次に
「忌野清志郎/雨上がりの夜空に35」

雨上がりの夜空に35
忌野清志郎 feat.RHYMESTER
ユニバーサルJ
2005-02-09


この歌も良かったんですが、ちょっと時代が早すぎた。
ラップっぽいところだけですら、拒絶反応が多かったはず。
RHYMESTERが好きな人はこの歌も好きでしょうが、根っからのロック好き
忌野清志郎ファン、RCサクセションファンは号泣不可避でした。




そうなんです。
今まで、幾度となく、この手コンピレーションアルバムでは
ラッパーは冷や飯を食わされ、すぐにスキップボタンを押されてきました。

ところが、日本語ラップが根付きつつある時代、
加山雄三は全曲、ラップでコンピレーションアルバムを出します。
もう、加山雄三の既存ファンをフル無視して、ラップを聴く世代へ届けた
新たな層へのマーケット開拓のアルバムでした。
(というかラッパーへのサンプリングネタの提供に近いですが笑)


そして、本作のプロデューサーが誰か知りませんが
ラッパーのセンスが頗るよく、曲もバカみたいな曲が一曲もありませんでした。
ももいろクローバーにもラップさせたサイプレス上野と加山雄三は偉大です。

加山雄三が引っ張ってきたラッパー達がPUNPEE,KAKATO,サイプレス上野,ECD,RHYMESTER,水曜日のカンパネラ,RITTO,スチャダラパーです。



おっと、、、、リンゴ音楽祭の出演予定かな?と思うほどのセンス。




どれも今にあわせて現代語訳(意訳)させて、古臭さを払拭したラップ。
どれも悪い意味でヒップホップ臭がするラッパーを排除し
嫌みのない、洗練されたラッパーを起用することで
幅広いリスナーを掴んだ作品です。

そしてPUNPEEの「お嫁においでよ2015」。
MVも併せて、ぶち抜かれました。

最後に加山雄三も出演するというサンプリング。
よくある「無断サンプリングなんじゃ、、、」という
日本語ラップリスナー特有の罪悪感を掻き立てる胸騒ぎも途中ありましたが
見終わるころには「PUNPEEすげぇぇぇ!」
ってなってました。


生誕80歳の国家元首であられる加山雄三がテレビ番組で
RUN DMCに模したPUNPEEとヒップホップ握手をしている姿は
音楽と海を愛してやまない加山雄三の思いを感じました。
音楽を熱心に探究した先に「日本語ラップ」を音楽として迎え入れた
先人(長渕、忌野)には感謝しますが、加山雄三が昇華しきりました。





ということで、日本語ラップが超VIP待遇されているアルバムを
覗きたいと思います。

「夜空の星 feat KAKATO ×川辺ヒロシ」

まずは市役所へでかけよう
そして婚姻届けを貰おう
提出するときには戸籍抄本 ハンコ
身分証も必要 おぼえておこう

いつもよりも丁寧な字
間違ったら汚くてなんかいやだし
最初はえんびつで下書き
そのあとボールペンで清書 まるで習字

家具はニトリやIKEA 無印に大塚
どこで購入するか 悩んだ
長く使うってことでほんの少し高いの選び
互いの数寄を尊ぶ喜び

子どもは何人がいいかな
お父さん丘案の二人から生まれたから
出来れば二人 生み出したいな
少子高齢化に立ち向かう会話

原作はこんな詳細に恋人・夫婦の話をしてませんが
この歌アレンジによりは結婚当初の駆け出しの歌でとても暖かいです。
環ROYも子どもが生まれ、家族の暖かさを覚え
丸みを帯びてきた二人のラップはこの曲の雰囲気を作りました。
(二人とも、とても尖ってたイメージだったのに)
こういう曲調のものをKAKATOでは、ずっと作っていきたいんだと思います。
ラップを聴いたことない人でもこの歌は「笑える」曲なんだと思うんです。




「夕陽は赤くfeat RITTO,ALTZ」

夕陽赤く
夕暮れ時に頬を濡らす
憧れた景色やはり素晴らしい
南の風と星は踊る君の灯紅く燃える
喜び1つの輝き青の瞳真のまなざし
繋ぐ架け橋永遠に
ありのままの姿を貴方に

心に秘めた恋
その名を呼べば
むなしく返るはこだまよ
君よ眠れ また逢う日を
夢見るような 星あかり

ya やんどー 離さんこう

走るだけ辛くなるから
思い出はそっと寝かしておこう
明けましておめでとう
やしが今日もありがとう
嘘は置いとけ嘘も大人で
照れ隠し夜明けの作詞
ほどける悩みは君の心に
感謝の温もりポッケにしまい
歩けば足が痛い
手を上げれば腕がつらい
笑えれば明日が楽になるらしい
海に夢が浮かぶほんとに
やっとで救われた
やっとで抱き寄せた
追いかけるありのまま
気持ちが騒げば戻ろう君のとこ

今回のトリビュート作品でRITTOまで招集したのは激アツでした。
RITTOがいい仕事をして、サンプリングとして完全に我が物とし
沖縄ソングとして完成させました。
取引先の沖縄出身の方は結婚式でこの歌を流したほど。

まぁいいラップです。(パクられる前に、ありがとう)
この原曲の「青い星くず」というバリバリにイカした曲のカップリング両A面で作られました。
日本の歌にありがちなまぁ抽象的な愛の歌なんですよね。
比喩表現のオンパレード。
ラップでも、その良さが消えないように。
直接的な表現を敢えてせず、原曲の雰囲気を生かしたままです。





「君といつまでも fear ECD × DJ Mitsu the Beats」

二人を夕闇が つつむこの窓辺に
明日も素晴らしい 幸せがくるだろう

ねぇどうしたら君といつまでもいれる?
どこにある答え ここ ここにある
ほっぺたつねる それを確かめる
そりゃあ夕陽だっていつか色あせる
水平線向かい陽は落ちる
日が暮れるときは去りゆくサダメ
暗くなるお前の顔もよく見えね
明かり付けてくれ、これじゃ字も書けねえ
そしてこれから続く長い夜を過ごす
為の歌詞を書き記す
灼けた肌 火照り 冷ます氷
そう その塊みたいなやつさ
若さバカ騒ぎ疲れ逃避行
やらかした色々もう時効
夜があける前に砂浜に埋めよう

引っ込み思案で大人からは会うたびに
「おとなしいね」って言われたってのに
吸い込まれてく踊りの輪の中へ
気が付きゃいつの間にか櫓の上
音楽 自分を変えた瞬間だ
そっから始まった ありゃなんだったんだ
それから人生はまさにアップエンドダウン
そして失ったものたちと引き換えに
こいつがある音楽それだけでオーケー
しかもそれ自分で作るみんなが聴く
幸せだな君といるときが一番
幸せなんだたとえ話で言ってん
じゃないからな だから照れないよ全然
辿り着いた紛れもない実話
嘘だろって思う。ほんとの話なんだ
出来過ぎた話だけど誇張は一切なし
君といつまでもって英語で言うとそうつまり
together forever

涙なしでは聞けません。
スーパーレイシストとしても有名でしたがレジェンドとしてももちろん
国家元首、加山雄三をよりも若く崩御したECD
さんぴんCAMPからの一興を知っているECDは長年ずっとラップを続け、
過去には「ロンリーガール」など名作を残した。

私は田中面舞踏会でECDを最後に生で観ました。
圧倒的迫力とひたむきな音楽の愛を感じました。
どの曲も「音楽なしではダメなんだ」と音楽の重要性を歌う曲が多く、
この曲もそのうちの1つです。


闘病生活、最後の最後までラップをし続け、
世に音楽、自身の生きざまを主張し続けた活動家・芸術家です。


死にゆく様を、生前歌う怖さ、凄さ。
ねぇどうしたら君といつまでもいれる?
どこにある答え ここ ここにある
ほっぺたつねる それを確かめる
そりゃあ夕陽だっていつか色あせる
水平線向かい陽は落ちる
日が暮れるときは去りゆくサダメ
暗くなるお前の顔もよく見えね



ところで、このアルバムのメインは
勿論「お嫁においでよ」でした。
強烈なインパクトとPUNPEEのキャッチーさ、
ダサくなく、この時代にあったオシャレな作品に仕上げ
この作品につられたヘッズは皆「加山雄三の新世界」を購入しました。

私も買いましたが、私の親も購入していたので
家族で2枚同じCDを持つという失態をかましています。


日本語ラップオタク