SEEDA/花と雨について(2018/7/25)



こんにちは

 

海外に異動になった為、
ブログ書く暇がありませんでした。
しかも家ではまだwifiもありません。
聞き洩らしているかもしれない最新日本語ラップ情報、日本語ラップ曲が
あったらどうしようとか思います。
 
そんな中、先日PUNPEEがスクープされました。
快挙と言っていいのか、どうなのか分かりませんが。
ただ、一部ファンからは2年前のリリックの中に既に「秋元才加」が入ってたという逸話がありまして
身近の人には分かってた話なのかもしれません。
私は行けないので泣きそうですが、
今年のりんご音楽祭は秋元才加を連れて登場してくれることを切に祈ります。
 

 

では、本題のCDレビューですがクラシック中のクラシックを
SEEDA/花と雨
花と雨
SEEDA
KSR
2006-12-23

 

この当時はB.Lが日本語ラップシーンを掌握するだろうと
信じて疑わなかったくらい勢いがありました。

SEEDAがSCARS、CCGを率いていた時はSEEDAの客演を見ただけで
聴くまでもなく「良曲に違いない」「歌詞に隠された意味は、、、」
と皆が聴きこむくらい勢いがありました。
そんな二人が作った作品ですから間違いなく間違いなかったんです。

 

生粋のSEEDAファンは『花と雨』も大好きですが、好みによって下記に分かれると思います。
SEEDA/GREEN

 

グリーン
I-DeA Presents SEEDA
Pヴァインレコード
2005-08-19

 

SEEDA/SEEDA
SEEDA
SEEDA
CONCRETE GREEN
2009-05-20

 

 

私なんかは前、本ブログで書きましたが
SEEDA/HEAVEN』が大好きです。
HEAVEN
SEEDA
ケイエスアール
2008-01-30

 

なんで好みに別れるかいうと、SEEDAは毎回アルバムごとにフローが絶妙に違うんです。
なんなら、フローを聴いただけでいつ時代のアルバムか当てれないとファンじゃないです。

 

SHIDA/デトネイター』は既に廃盤になっておりますが、通して聴けたものではありません。
(確か1、2曲良くて、フローはそこまで早くなく、声にすごく特徴がありました。もちろん私は買いました)

 

SEEDA/FLASH SOUNDS PRESENTS ILL VIBE
SEEDA/GREEN
前者はフルでI-DeAプロデュース、後者はB.Lとの合作です。
前者はまあまあ荒い高速フローでしたが、GREENあたりでは丁寧な早口です。
歌詞もまぁまぁ聞き取れ、面白い歌もあります。
特にSEEDAの作品ではありませんが、『I-DeA/self expression』の

 

セルフ・エクスプレッション
I-DeA
Pヴァインレコード
2004-08-20

 

whoa feat. SEEDAとDayz(just like smokey) feat. SEEDAはかなり完成された高速フローで
世間から一目置かれた代表曲かと思われます。(アルバム自体くそ名盤)

 

 

 

そんな絶賛注目の中、SEEDAは高速フローを大胆にやめてしまうのです。
ラッパーとして大きな賭けに出るのですが、ここが一番の転機。
今までラッパーがフローを意図して変えるのはあんまり知りませんでしたし。
DELIのように声質が持たなくてラップスタイルを変えたりはあるでしょうけど。)

 

SEEDA/花と雨

スキルが先行してしまい、誰も歌詞を正確に理解してる人がいなかった。
ちゃんとリリックを考え込んでいるにも関わらず、
リリックが伝わっていない事実に直面したのです。(ってインタビューで言ってた)
そこでがっつり代名詞でもあった高速フローを捨て、
リリックを聴かせます。

しかし、フローを完全に殺したわけでもなく、

いかに日本語をかっこよく聞かせるかということに長けたフローで魅せました。
SEEDABESがこの時代をけん引します。

 

BESなんかはフローを練習するために
新聞の内容を読んで、英語に聞かせるべくフローしていたとのこと。
BESにかかれば、普通の文章ですらUSのラップよりも首が振れるんです。
「ILL Wheels Feat.BES」

 

人生どう転んだって吐くさ リリックの中二度生きるラッパー 
言葉の壁は高いがフローは その上を越すことは可能さ 
風のフロー使い詩を町に落とす ひび割れたアスファルト芽をだす詩を 
Nasのように?いやJayのように?いや 
俺は俺にしかなれねーだろな
 
ボロは着てても心はリリシスト 
歯に衣を着させない奴ほど嘘つき 
 
beatzとrhymeが水と油 やっつけ本番ガッツのみで 
take one 楽しいしがらみ友達の輪 
社交辞令と命令知恵の輪、ファゴですか? 
bitch, hey! bum bye bye 
君もskillは後から付いて来るか 
下手な鉄砲も数うちゃ当るか?
適当に描いた歌詞ではないですよね。
凄く丁寧にかつ効果的に比喩表現が使われています。
Creepy nutsのR指定が取り上げていましたが
言葉の壁は高いがフローは その上を越すことは可能さ
英語でラップしたところで、リリックでUSのラップには勝てないけど
フローだけならUSを超えることは可能。との意のリリックです。

スーパーパンチライン
「リリックの中二度生きるラッパー 」
いつ死ぬか分からない中、この歌を通して一生「SEEDAというラッパー」は
認知されるし、言葉・曲は死なないことを歌っています。

 

そして、ここからよく使われる最強の言い回し
bestsとryhmeが水と油
要はお前のラップじゃ、そのトラックに不釣り合いということ。

 

この時代のラッパーがこぞって、踏まれていない突拍子な韻を一生懸命探していた頃
SEEDABESがフローと丁寧なリリックが皆の心を打ちました。
短い曲ですが、皆の頭にこびり付かせる一曲です。

 

「Daydreaming」

 

初めて外からネオンを見た時 
この街の異様さに気付いた時 
乱雑に並ぶコンクリート住居 
Tokyo city in dreams俺は空虚 
街の価値と照らし合わす自身 
ポジな時 人それぞれと思えるし 
銭にゆとりで今日は満たせるし 
銭にbitches…いや、もういい 
缶コーヒー買わずコーヒーを沸かし 
ゆとりとともに飲み干したい気持ち 
broke as a motherfucker, ドラッグの無い売人 
roll like a undercover 手持ち無くhighに 
問題違いで出した解答に 
手にしたいもの遠ざけた毎日 
風が心を突き抜けた日は 
心から笑えた気がした
 
沢山のhoより一人のパートナー 
コネクションの広さより信用ある仲間 
アクションの多さより確信つく力 
昨日から今日から明日求めながら 
ビルの狭間じゃわずかな空 
バビロン登らず広く見れたら 
病んだ町ではないものねだりさ 
昨日から今日から明日追われながら 
時の長さよりも瞬間 幸せは宿るそんな気が 
soulも音楽も自由気まま 形取らないコトに素晴しさが 
奇麗事ばかりほざく日常に 嘘ばかりの世の中の流れに 
取り付かれた自分 取り付かれた町 乗りつかれたぜ 町の影と光

 

この時のSEEDAはリリックです。
SEEDAはこの時代からこんなエモいことをスピットします。
ドラックや金、とか欲が渦巻く社会よりも
友達、彼女でしょ?といった内容を臭くなくラップしたのはSEEDAが初めてじゃないでしょうか。
僕からしたらKREVAよりも胡散臭さなくて、SEEDAの方がよっぽどコンシャスなんですよね。

 

「Live And Learn」
1980練馬に生まれひばりヶ丘団地記憶の先へ 
物覚えついた時にはWembly London言葉はもどかさっぱりで 
地元のガキと公園でfootball これができりゃ問題無さそう 
子供ながら思い出す晴れの日 曇りがちな空また雨の日 
アジア人だからできなかったこと 
日本人だからstick upされたこと 
人種や宗教文化もろとも育ちながら感じ取ったロンドン 
たれ目つり目指とって言葉は「Japanese, Chinese, English」ってまたか 
いまだから笑える思い出 ガキの頃はただもどかしかったけど 
生活の格差でねたまれる 不定職者は容易に目に映る 
ガキのめん玉に貧困ぼやけ見えかすれ 
ボンボンな俺苦しみ見ず明日へ time lagはなく過ぎる思い出 
news agent駄菓子漁って 無邪気な風に吹かれて 
笑い飛ばしてく

 

幼少期に感じたマイナー(外国人)の辛さラップした歌です。
リリックはめっちゃ暗いんですけどラップがかっこいいからダサくない。
僕はこの曲を死ぬほど聞きました。

子供ながら思い出す晴れの日 曇りがちな空また雨の日

意味分からないリリックですけど、外は晴れだけど
気持ちは暗く、幼少期泣いていたことを暗に歌っているように聞こえます。

 

「いまだから笑える思い出 ガキの頃はただもどかしかったけど 
生活の格差でねたまれる 不定職者は容易に目に映る 
ガキのめん玉に貧困ぼやけ見えかすれ 
ボンボンな俺苦しみ見ず明日へ time lagはなく過ぎる思い出 
文化の違いからのいじめもあるけど、
より生活の格差が鮮明だったことも歌っています。

 

 

 

敢えて今回は「不定職者」「Sai Bai Man」「花と雨」を飛ばしました。
「game」もストリーテイリングで大好き。
やっぱり、このアルバムは最高傑作なのは間違いないんです。

 

次回作の「街風」でANARCHYばりにオオコケしましたが

 

街風
SEEDA
エグジットチューンズ
2007-10-17

 

HEAVEN」で挽回(最高)。

 

SEEDA」で日本語ラップを一度締めくくり、(何度か引退してるし、この時も公言)

BREATHE」から、やりたいことをダラダラ続けてる感じ。
BREATHE
SEEDA
KSR
2010-08-25

 

SEEDAがレジェンドなのは間違いないんですが
仲間を盛り上げれなかったのも確か。
T-pablowIOなんかは仲間も盛り上げて、良いなぁと思う。
(本人が凄いんでなくて周りが凄いのかもだけど)

 

SEEDAの全盛期に、売り出し中のSticky、GANGSTA TAKA、4WD、OKI、bay4k、MANNY
をフックアップしきれなかったのは残念。
(というかみんな捕まりすぎだし。
リーダーがA-THUGというとこに問題があるのも知れないけど。
そもそも引退の理由のは上記のラッパーをサポートするために、裏方に回るということだったような)

 

上記のラッパーが全員、売れていれば
犯罪に手を染めず、I-DeAは脱退しなかったんだろうなと。(勝手な妄想)
SCARS/THE ALBUM

 

ジ・アルバム
SCARS
Pヴァインレコード
2006-09-02



SCARS/NEXT EPISODE

NEXT EPISODE
SCARS
SCARS ENTERTAINMENT
2008-12-31

 

上記2作品以上の傑作が世に残っただろうなと妄想しています。

もう、世にSCARSはありませんが
リリックの中2度、3度生きるラッパーたちの曲は不滅です。

日本語ラップオタク



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